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キツタカ、コールセンター開設し受注窓口1本化

キツタカ、コールセンター開設し受注窓口1本化

キツタカ
橘高勝人 社長
1145号 (2014/11/18発行) 7面
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キツタカ 橘高勝人 社長

キツタカ 橘高勝人 社長

「2020年には年商70億円に」

 住宅の洋風化により畳や襖の市場が縮小する中で、創立30周年を迎えた畳・襖の総合メーカー、キツタカ(東京都大田区)は売上高が約45億円に成長している。橘高勝人社長は「リフォーム業者に特化した商品やサービスをさらに向上し、売り上げ拡大を図る」と語る。

畳や襖から内装全般に

―― 御社は関東を中心に関西、東北にも進出しておられますが、商品や工事の注文を一括して受け付ける「コールセンター」を開設したそうですね。

 はい、6月から始動しています。店舗は全国に30店あり、営業エリアが増えて受注体制が複雑になっていました。特に関東の場合は東京、千葉、埼玉、神奈川と都県別のエリアごとに設置した受注センターに問い合わせていただいていましたが、エリアの区分けをなくして窓口を1本化し、全国どこからでも受け付けられる体制にしました。

―― 窓口1本化のメリットは。

 ここで全エリア、すべての商品、工事の注文を一括受付しますので、リフォーム会社様には、県をまたがる工事の発注で別々のセンターにかけていただく手間がなくなりました。受付時間も午前8時から午後8時まで広げ、日曜、祝日も対応します。スタッフも増員し、電話がつながりやすくしました。

―― 受注側の御社にとってもメリットがありますか。

 窓口スタッフの教育を徹底して、リフォーム受注の幅を畳や襖から内装全般にも広げていこうと考えています。例えば、「雨どいの交換はできないの?」というお問い合わせを頂いた場合、エリアによってはお断りしていましたが、それをやれるようにしていく。ドアノブの交換1つであっても受け付ける。これはもう畳屋というよりは、リフォームの総合商社的なポジションの中でのコールセンターですね。受け身の体制から脱却し、新商品の提案もできるようにしていきます。

ゼネコンから方向転換

―― 畳屋さんというと9割が個人のお店ですが、御社はリフォーム会社とのB to Bに特化し、売り上げも伸ばしておられます。

 売上高はキツタカ本体で45億円、グループ合わせて55億円。キツタカ本体の売上高のほとんどが畳、襖の張り替えです。全国のリフォーム業者様から月に1万3000件近いご注文を頂きますが、その中には襖1本の張り替えもあります。

――日本の畳市場の現状は。

 新規と張り替えの区分けは難しいのですが、合わせておおむね1700万枚が1年間に出荷されています。ピークは20年ほど前の4500万枚ですから、市場全体は3分の1に縮小しました。うちでやらせてもらっているのが約60万枚、シェアにして4%ぐらいですね。

――18歳で家業の畳屋さんを継いだとき、年商は1800万円だったそうですね。

 父親が脳梗塞で倒れて私が家に入ったのが31年前。8年後に法人化し、最初の10年は大手ゼネコンからのマンションの仕事などをこなしていました。ただマンションは仕事をたくさん出してくれますが、値段はたたかれます。売り上げが上がれば上がるほど、資金繰りは火の車。銀行残高が空になるというような経験もしました。

 なんとかしなければと全国の畳屋さんを訪ねる中で、九州の畳屋さんと出会い、「決算書を読めない社長は失格だ」と叱られました。うちの粗利率は1桁で、いつ倒産してもおかしくない状況だった。「売り上げアップ=儲かる」ではないことにようやく気づき、ここから方向転換を図りました。

――リフォーム中心に方向転換したと。

 細かな仕事でも回転の速いリフォーム会社様にターゲットを絞って畳や襖の張り替えの営業に行き、仕事を頂くようになりました。今では1万5000社のリフォーム業者様にお世話になっています。ゼネコン中心にやっていたら存続していなかったかもしれません。当社が今あるのは、まさにリフォーム業者様のおかげです。

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