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「LIXILリフォームショップ」誕生

「LIXILリフォームショップ」誕生

LIXIL
田口和敏上 席執行役員・リフォーム事業部事業部長
1166号 (2015/04/28発行) 6面
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LIXILリフォームショップ 田口和敏 上席執行役員・リフォーム事業部事業部長

LIXIL 田口和敏上席執行役員・リフォーム事業部事業部長

長期目標は加盟店1000店

 LIXILの新FC「LIXILリフォームショップ」が4月1日に動きだした。同FCは、従来ブランド「ホームウェル」と「ライファ」の統合により誕生。現在の加盟店舗数は約430店で、業界最大級の規模となる。人口10万人に1店舗の割合で出店し、長期目標として1000店への拡大を目指す。事業責任者である田口和敏上席執行役員・リフォーム事業部事業部長に今後の方針を聞いた。

日本を守れるのは中小

――まずは、新FCの目指す方向性をお聞かせください。

 基本的に地域を守れるのは地域の中小事業者さん。日本を唯一守れるのは彼らじゃないかと思っています。日本のGDPの70%は地方の方が生んでいる。その構造の中、地方中小の方々がそのファシリテーター役になり、LIXILがフランチャイズ運営の中で支援していくビジョンです。

 加盟店さんにはランチェスター戦略で地域No.1を取っていただき、必ず利益を出したら雇用に投資をしてくださいといっています。皆さんが地域を守り、ひいては日本を救えるんだという言い方です。

――1店あたりの規模は。

 このモデルは3億円モデル。エリアで3億円、シェア5%をとったら十分だと思っています。その後は多店舗展開。その中で"もの"ではなく"こと"リフォームをもう一度明確にだし、リノベーションや、空間リフォームを明確にうたい、価値創造型のリフォームを増やしていきたい。

 最終的にはLIXILもそうですし、中小の事業者さんは環境にも配慮しなくてはならない。家を壊して建て替えるというビジネスモデルは一番CO2を出します。今ある資源、構造を残してもらい、ライフスタイルを変えていけるようなものをトライアルしてもらうのがいいかと。ただ、決してLIXILにそのノウハウがあるわけではないので、顧客満足度調査で入る年間1万5000件ぐらいの物件データの中から良い事例、悪い事例、経営上の問題などをフィードバックしながら改善に入っている状態です。

――他のフランチャイズと違うところはどこでしょう。

 ユーザーの評価が高い、プロファイリングのシステム「ライフスタイルコンパス」です。リフォームは大体奥さん主導じゃないですか。旦那さんがやりたいところがなかなか表現できない。それをちゃんとプロファイリングして、最初の段階で家族合意をしてもらう。終わったあとの評価は高いですね。加盟店からすると単価が確実にあがる。この業界の悪さは価格が不明瞭なことです。何をやったらいくらかかるのかが、分かりにくい。そういう意味では同コンパスを活用すれば、望んでいることが明確になりますし、それを見積もりとして出せます。

利便性を追求

――強化するサービスは。

 ファイナンス的なところを強化したい。0%金利ローンにしても、クレジットカード支払いにしても立ち上がりが良い、消費者の利便性が高いことが一番です。例えば家電量販店さんでいうと60回ローン、無金利などは当たり前じゃないですか。消費者もそれが当たり前だと思っているのに、キッチンを買った時には現金で翌日払ってくださいというモデルでは通用しません。

 また、遅れていますが、家具も照明も含めて提案していきたい。住まい方では、家電の融合も必要だと思っていますので、エディオンさんなどと、やれることがありましたら取り組んでいきます。

――リフォーム会社の仕事の中身が変わるのでしょうか。

 そういうふうに仕掛けていきます。今まではマーケット全体でリフレッシュの取り換えが圧倒的に多い。取り換えとメンテナンスの領域は今後厳しくなります。マーケットを作るという意味ではメーカーショールームが当社の100ほどと他メーカーさんを合わせても500ぐらいしかない。

 一方、リテラーさんは3000とか5000の店舗があるので、商品を店頭に飾り需要喚起していただくのはウエルカムです。ただ、同じ領域で戦うと絶対に中小の事業者さんは負けるじゃないですか。コアなところの技術は中小の事業者さんがお持ちなので、そこをうまく伸ばせるのは、"こと"リフォーム、リノベーションかと思っています。

――現状の約430社で今の内容を実現できますか。

 入れ替えは当然あると思います。人、モノ、金をリフォーム専業にしてもらうというのが、加盟条件に入っていますので離脱しているところはあります。ただそれ以上に加盟が増えている。特にエリアで規模の大きい、新築の棟数が多かった方たち、加盟の8割は新築をやっていた方です。

――今あるメニューで市場変革ができるのでしょうか。

 サービス、教育は充実させないといけないでしょうね。今まで困っていないのです。新築偏重型でLIXILも困っていませんでしたから。それが世の中の流れだったと思います。

 ただし、先行きを見ると、2020年とか2025年に60万戸の時代になりつつある。アメリカ型の資産デフレをなくすスタイルに変えていかないと、消費者は変わりません。資産デフレで500兆差損がでているので、やはり家を持っている所有者の方が投資をしません。今回レインズがオープンになるじゃないですか。そういうところでマーケットがみえるようになってくる。

各エリアでCM開始

――エンド向けのプロモーションは。

 フランチャイズの看板の架け替えが4月から5月の中旬までかかりますので、それ以降に各エリアでコマーシャルを流します。

――ちなみに加盟店は仕入れ制限などはあるのですか。

 制限はありません。ただ、7割弊社から買ってくれといっています。そこは紳士協定です(笑)。 

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