徳島、香川に6店舗のショールームを構える「ないすリフォーム」の藍住店サブリーダーの清松建史さんは、接客から営業管理までこなし、常に10件ほどの案件を抱える。清松さんが営業活動をする上で心がけるマナーは、「お客様の立場にたって考え、行動すること」だ。
ないすリフォーム 清松建史 氏
失敗から学んだマナー
「まだ形になっていないものを売るリフォーム営業は、お客様との信頼関係がなにより必要。そのためにマナーは大切だと思います」と清松さん。
入社して10年が経ち、サブリーダーとして活躍するが、駆け出しの頃は、マナーにまつわる失敗をいろいろ経験した。
前職で得意先を訪問するルートセールスを担当していた頃には、訪問する時間が5分、10分前は当たり前だった。その常識で、施主のお宅に現場調査に行った際、予定時間より15分ほど早かったが、そのままチャイムを押した。奥さんが玄関まで出てきたが、なんとメークの真最中。「ごめんなさい。こちらに上がってて」と部屋に通してくれたものの気まずい雰囲気に。
それからというもの訪問の時間を10分前、5分前と変えてみたが、5分前でもまだお茶の準備や掃除をしている人が多かった。昼間の現地調査などの訪問時は女性が多く、お茶の準備や身なりにも気を使い、客を招き入れるのに忙しいのがわかった。そこで、自分なりに見つけた最適な訪問時間は、"約束の時間ちょうどから、数秒遅れて行く"ことだ。このマナーを実践し、顧客との関係をスムーズに進めている。
自分が客の立場なら
また、あるお宅で契約をもらうために訪問した時のこと。商談、クロージングと順調に進み、契約書を交わす段階に入り、印鑑を押すときになった。ちょうど朱肉を持っていなかった。顧客から「営業のくせに朱肉も持っていないの。商売気がないな」とぶつぶつこぼされた。なんとか契約はとれたが、和やかなムードは一転した。
後日、自分が客の立場になって同じ場面に遭遇。保険のセールスが自宅に来て、いざ自分が印鑑を押す側になった時にその営業マンは朱肉を持っていなかった。「このセールスマンは、たぶん営業成績悪いだろうな」と思った。それ以降は、常に朱肉と捺印マットは鞄に入れることにしている。
清松さんが日々心がけるマナーは、「お客様の立場になって想像する。自分がお客様に対応したとき、相手はどう思うか考えること」。笑顔で接するのはもちろんだが、しゃべるスピードや声のトーンを相手に合わすという。
ゆっくり話す人には、ゆっくり話し、てきぱきとした人には、てきぱきと応じる。お客さんを想う気持ちが信頼につながり、月間900万円ほどを売り上げる。
お守り代わりに朱肉セットを携帯
客の立場になって実感した、朱肉セットを携帯する大切さ。たとえ今日は契約までいかない商談だとしても、お守り代わりに、常に朱肉と捺印マットを鞄に入れるようにしている。
この記事は、
『リフォーム営業マンを応援するビジネス誌 リフォームセールスマガジン』から抜粋しました。
オンライン書店「リフォームブックス」で購入できます。
