案件を多く抱えている場合、ひとつひとつどれだけ迅速にかつ的確に対応していくかが、業務をスムーズに進めるカギとなってくる。東北カナメの男乕浩司さんは入社4年目ににして全営業所8社の中で今期のトップセールスマンになった。
全営業マン25名の内、トップ営業に
東北カナメ (本社・宮城県仙台)
大崎支店支店長代理
男乕(おのとら)浩司 氏
《プロフィール》
大崎支店に勤務。入社4年目で、今期売上は約8000万円。月間70~80の案件を担当している。平均単価は170万円。同社では販促専門の女性スタッフがおり、男乕さんは販促スタッフ2人とチームを組んで業務を行っている。
効率化を考えた先取り行動が決め手
何よりもスピーディーな顧客対応を習慣としている男乕さん。
「HPからの問い合わせが多いのですが、ほとんどのお客様が7~8社の相見積もりを検討しています。いかにスピーディーに効率よく対応し、受注につなげていくかが大切です」
問い合わせメールを確認したタイミングで、すぐに電話で返信する。早々に電話がかかってきて顧客がビックリすることもあるが、直接会話することで要望をしっかりと確認でき、初回訪問へのアポイントも取りやすくなる。受注後も、顧客対応は基本的には電話だ。
「施工や仕様に関しての細かな内容は、メールの文章ではなかなか表現しきれません。お互いのズレを解消するためにも直接話をしたほうが、クレームやトラブル防止にもつながり、スケジュールもたてやすくなります。特に案件を多く抱えているときはなおさらです。後でメールしようと思ってもなかなか時間がとれず、対応が遅くなってしまい、効率が悪くなるばかりか他社に顧客が流れていくこともあります」
さらに、提案の際には、施主の予算内で要望したプランのほかにベストプランの提示も欠かさない。工事が始まってから、こんなこともできたなんて知らなかった、オプションをつけてほしかったというトラブルを未然に防ぐ目的もある。あとからやり直しや追加などがあれば、工程にも支障をきたし他の工事のスケジュールにも影響を与えてしまう。
そしてさらに確実に受注額を増やしていくために、男乕さんが提案の際に使うのが「私がやるなら、こうします」というフレーズだ。事例を紹介して、メリット、デメリットをあげて丁寧に提案しても顧客はイメージしにくく決断に迷いがちだが、プロのひとことが顧客の背中を押す。100万円の外壁塗装が、700万円の外壁改修工事につながった例もある。
「地域柄、高齢者や、二世代、三世代にわたるお客様もたくさんいます。皆さん人生経験を積んだ先輩であるという意識を忘れずに、気に入ってもらえる、可愛がってもらえるようなお付き合いを心がけています」
この記事は、
『リフォーム営業マンを応援するビジネス誌 リフォームセールスマガジン』から抜粋しました。
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