頑張る女性営業の24時間
File3 寄り添い共感する営業で、見積書を出した案件は全て成約
中澤広美さんは、約9名いるリフォーム事業部のリーダーとしてチームを引っ張る一方、プレイングマネージャーとしてもバリバリと活躍する人物。昨年はなんと、見積り提出までいった案件は、ほぼ成約に至ったという。中澤さんの営業力に迫る。
北王(本社:北海道帯広市)
リフォーム事業部 部長 中澤広美 氏
現在46 歳。短大を卒業後、住宅会社でリフォームの設計に従事。その後一気通貫でリフォームを行う住宅会社に転職。27 歳の時に今や年間60棟の新築注文住宅を手掛ける北王の設立メンバーとして参画。現在は中澤さん含め9 名のスタッフがいる(その内営業専任は3 名)リフォーム事業部で事業部長を務める。
施主から言われた一言"出会えてよかった"に感動
「昨年は見積書を提出した案件を全て成約しました」と話す北王・リフォーム事業部の中澤広美部長は、20年余りリフォームの仕事に従事してきた大ベテラン。成約率の高さの秘訣は、「お客様の気持ちに共感しながら、寄り添うことだと思います」とこう自己分析する。
最近手掛けた案件で印象的だったのは、昨年の春先に地元で開催されているリフォームの合同相談会に出典した際、ブースに訪れたある来場者のお宅だ。
施主は40代の女性。 交通事故で身体が不自由になってしまった入院中のご主人が自宅に戻ってこられるようにリフォームしたいという依頼だった。女性は同イベントに来場する以前から、知り合いやツテを辿って他の色々なリフォーム会社に相談をしていた。ただ、どの会社も手すりや段差解消といったハード面での提案にとどまり、その女性にとってはリフォームがしたくなるようなテンションの上がる内容ではなかったという。そんな女性の様子を見た近所の人から「気持ちを切り替えるためにも、リフォームフェアに行ってみたらどうか」という誘いを受けて会場に足を運んだという。
記事中にあるリフォームイベントで熱心に接客をしている中澤さん(写真右)。
開催中の2日間で現場調査のアポが取れた4件の現場は、全て契約に至ったそう。
そこで北王が出展するブースで中澤さんとの出会いがあった。中澤さんは女性から聞いた話をまとめ、その場で簡単なプランを紙に書いてあげた。これからどうやって身体の不自由なご主人と生活していこうかと悩む女性に寄添いつつ、イメージしているのは「こういう家ですか?」ときいてみると、問題点をぴたりと言い当てていたプランだっ
た。「そうなんです!!」と話しが一気に盛り上がった。住宅内にエレベーターを設置、増築もしたため構造計算や確認申請が必要になる大がかりな工事だ。住宅部の予算は1500万円ほど。「私にとってもチャレンジした案件となり、調べ物の繰り返しでしたね。「そのお客様からは、"出会えて良かったです"とまで仰っていただけて、とても嬉しくキュンとしてしまいました。」その案件は1月末には完成する予定だ。
中澤さんは20代で結婚し、その後出産を経験した。当時は子供を保育園に預ける罪悪感から、すぐ様職場に完全復帰とはならなかったという。復帰のきっかけは、親しいOB顧客から「またリフォームを担当して欲しい」という一言があったから。「当時子育てしながら働いている同業の方がおらず悶々と悩んでいましたが、そこですぱっと決心がつきましたね。人から求められる幸せを感じたのだと思います」
現在お子さんは中学3年生にまで成長。目下のところ、リフォーム事業部で活躍する人材の育成に力を注いでいる。
中澤さんはスピードクッキングが得意。「圧力鍋を使えば、30分位で2~3品は作れます」。ご主人も料理が得意で家庭的。ご主人に子育てや家事を分担してもらえたことで、中澤さんも仕事に精を出すことができたという。
◆高村さんに1問1答◆
Q. 家庭と仕事の両立で悩んだことは?
A. 出産した当初は、子供を保育園に預ける気持ちになれず半年育休を延長、そして一度会社を辞めました。その後にやっぱり職場に戻りたいと思い、どんな形でもいいからも復帰したいと伝えました。まずは週2日・1日4時間~というようにパートのような働き方からスタートしました。
Q. 今後の目標は?
A. 部下を活かし、輝かす立場になりたいと思います。自分が売るのではなく、スタッフの良さを引き出していきたいですね。
Q. 若い女性営業へメッセージ
A. よく女性スタッフからも相談されますが、"色々あるけど出産しても復帰しなさい。すぐに戻った方がいいよ"とアドバイスしています。ただ自分がリフォームの仕事を好きじゃないと難しいのではないでしょうか。大変な時もありますが、1件1件リフォームが完成していくと、達成感があり喜びを感じます。若い女性の方にも楽しみながら仕事をして頂きたいですね。
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