一般社団法人住宅リフォーム推進協議会は2012年12月4日、すまい・るホールにて「住宅の長寿命化リフォーム」シンポジウムを開催した。これは中古住宅のリフォームにおける新たなビジネスモデルを紹介するもの。先進的な取り組みを行う事業者として3社の社長らが登壇した。
三井不動産グループのすまいサポート(東京都千代田区)は「三井のリハウス」の不動産仲介時のサービスを提供しており、その一つにリフォームサポート事業を展開。2011年度実績ベースで仲介数約1万3000件(業者間取引などは除く)中、約29%の3700件がリフォームにつながっている。直接請負はせず70社のパートナーを紹介するというビジネスモデル。「平均単価は約85万円。100万円未満の工事が80%を占め、この方たちにいかなるサービスを提供していけるかが課題」(青木取締役)。
オレンジハウス(静岡県静岡市)はリフォーム業と不動産仲介業を自社内で手掛け、年商は約11億円。ホームページでの集客がメーンで、「中古+リフォーム」といった打ち出しや、「オレンジハウス不動産」といった仲介専用のサイトを設けるなどし、中古購入ユーザーの引き合いを増やしている。大型でデザイン性を重視した依頼が多い。「静岡のような地方都市ではパワービルダーの新築が安く、中古リノベーションの方が高いということさえある。買う方は中古が安いからという理由ではなく、ライフスタイルに合うように作れるからというこだわり層。そこに特化した経営をしています」(中戸川社長)。
スタイル工房(東京都杉並区)は、住宅ローン相談と不動産仲介を手掛けるスタイルオブ東京と異業種連携という形で1000万円近いリフォームを受注するビジネスモデルを展開している。両社の専門家が協力し「ワンストップ相談会」という建物、リフォーム内容、資金といったテーマを一度に解決するイベントを開催。「餅は餅屋。プロフェッショナル同士が協力する効果は大きい」(三上社長)。
国が中古流通活性化を推進する中、リフォームと連動した新モデルの創出が求められている。
この記事の関連キーワード : すまいサポート オレンジハウス シンポジウム スタイルオブ東京 スタイル工房 ビジネスモデル 三井不動産 不動産仲介 住宅リフォーム推進協議会 住宅ローン 異業種 相談会

最新記事
この記事を読んだ方へのおすすめ
-
1655号(2025/07/07発行)4面
-
1655号(2025/07/07発行)2面
-
1654号(2025/06/23発行)19面
-
1654号(2025/06/23発行)17面
-
2025/06/20掲載