太陽光発電の補助金申請件数が急減している。補助金の交付等を行うJ-PECがこのほど発表した2013年4~6月の住宅用太陽光発電・補助金申込受付件数によると、既存住宅の補助金申込件数は前年同期と比較し、42.5%減の2万5020件と大幅減少となった。国の補助金復活以降初の落ち込みであり、3年前の2010年の4~6月期とほぼ同等の数字となった。
既存住宅の太陽光補助金申込数
市場では需要減に大きく以下の3つが影響したと考えられている。1つ目が太陽光のシステム価格の下げ止まり。今春のサンテックパワーの破産以降、システム価格がほぼ横ばいで推移しており、今後も大きな値下げは行われない見込みだ。2つ目が4月からの国の補助金減額と売電価格の値下げ。補助金が昨年度の2分の1ほどになったほか、1kWh当たり42円だった売電価格が38円となった(10kW未満)。システム価格は横ばいのため、太陽光設置のメリットが小さくなったと言える。そして3つ目が、販売会社の産業用太陽光事業へのシフトだ。従来、住宅用太陽光を販売していた企業が相次いで産業用に事業主体を移したことで、消費者向けの訴求活動が全国的に落ち込んでいる。
太陽光の補助金申込は、2009年に国の補助金が復活後、年々件数を増やしており、2012年度は新築、既築を合わせて33万1370件と過去最高を記録(2011年度は30万3985件)。そのうち、既存住宅は約3分の2の21万5442件となる。補助金額が年々減額されているものの、2009年から余剰電力の買取制度がスタートするなどの追い風から、年々補助金の申込件数は右肩上がりで伸びていた。申込数の減少は2009年以降、初めてのこととなった。
ただ、4~6月の間で新築住宅向けの太陽光補助金申込数は前年同期比で15.7%増加している。今後、既築向け太陽光需要は復活するのか、7月以降の動向に注目したい。

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2025/06/20掲載