国土交通省では被災者受け入れのため、都道府県、都市再生機構に対し、公営住宅等の空き状況の確認を指示。全国で公営住宅1万4900戸、その内東北は700戸、UR賃貸住宅は全国で約2500戸、その内東北は15戸という。
また、国交大臣より仮設住宅の建設を(社)住宅生産団体連合会に指示。2ヶ月で約3万戸程度が提供できるようにと要請。連合会は緊急対策本部を設置し対応を開始している。さらに(社)プレハブ建築協会に対し、岩手県8800戸、宮城県1万戸、福島県1万4000戸を当面の必要戸数として建設要請した。その他にも、(社)全国賃貸住宅経営協会等から、被災者に対しての住宅支援の要請などもあり、関係団体に協力要請をしている。
住宅金融支援機構による災害復興住宅融資および被災者に対する返済方法の変更も実施。
マンションに関しては、管理組合等からの相談に対応するため緊急相談窓口を(財)マンション管理センターに設置した。(2011年3月16日時点)
警視庁、震災に便乗した悪質商法に注意勧告
警視庁では「自宅の損壊に便乗したリフォーム詐欺」について注意するように呼びかけている。震災により、自宅損壊の被害があった、ガラス窓が割れた等の情報を得た業者が建設業者のふりをして、「このままだと屋根が崩落します」「自宅の修繕が必要です」等と不安をあおり、不要な工事の契約をとりつけるケースが懸念されるという。
建物被害、全壊は5687棟 一部破損は9万1589棟
消防庁災害対策本部は建物被害状況について取りまとめた(2011年3月17日時点)。全壊は5687棟。半壊は3124棟。一部破損は9万1589棟。全壊が多い件を挙げると、岩手県が3998棟、福島県が1027棟、宮城県についてはまだ十分に調査できていない状況。その他、千葉県が358棟、茨城県が197棟。
2000窓、被災地に提供など設備・建材メーカーらも支援
住宅設備・建材メーカーの支援も始まっている。住生活グループ(LIXILグループ)では、トステムが仮設ハウス用の窓2000、INAXが水洗トイレ2000台、トステムビバがカーテン2000窓分、ろうそく1万本、トイレットペーパー10万ロール、ペットフード1万食、ニッタンが火災報知器1000個などを支援物資として被災地に送る。また、茨城県板東市にあるソーラー発電所にて発電した売電分に相当する金額を電力インフラ回復のために支援金として寄付する。また、LIXILエナジーにより、太陽光発電システムを被災地自治体に10セット無償貸与する。
パナソニックグループでは義援金3億円および、ラジオ1万台、懐中電灯1万個、乾電池50万個、ソーラーランタン4000個を支援。TOTOグループでは義援金1億円などを支援。YKKグループでも義援金1億円。
また、住宅関連事業者の支援も行われている。新築・リフォームのフランチャイズを展開する新昭和は予定していた全国大会を中止し、その予算2000万円を義援金にする。また、消費者向けのリフォームポータルサイト「リフォームオウチーノ」を提供しているホームアドバイザーは現在行っているリフォーム代金1%還元キャンペーンの還元分をユーザー意思で寄付できるキャンペーンを開始している。今後も住宅産業に関わるさまざまな業種が復興支援に取り組みはじめると見られる。

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2025/07/31掲載