新築をメーンに年商1億3000万円を計上するゆい工房(岩手県岩手郡滝沢村)では、リフォーム部門の売り上げの大部分をリノベーション工事が占めている。3年前にスタートした「まるごと自然素材リフォーム 一軒楽着」が好調で、特別な宣伝をしていないにもかかわらず、昨年度には6棟を手掛けた。
「一軒楽着」は、化学建材や合板を極力使用せず、自然素材にこだわった一軒まるごとのリフォームで、断熱改修や耐震補強も行う。床は無垢材、壁にはクロスを使わないといったこだわりが支持されている。
施工費用の平均は1500万円程度となる。
同社の川原 昭社長によると、手掛ける家は築40~50年の民家が多く、梁や柱が立派なため、ほとんどの物件で建て替えではなくリノベーションを勧めているという。先般、同社が行った約2500万円のリノベーション工事は、明治時代から受け継いだ瓦屋根の屋敷だったが、途中で改装工事をしており、建材を使用して梁を隠した状態になっていたという。この状態に施主も後悔していたことから、梁をあらわして、瓦も鉄板瓦として元々の屋敷の雰囲気を残した。
一方で、第一次取得者となる若い世代向けに、中古住宅を購入してリノベーションしてもらうケースは、思ったほど成功していないようだ。この理由について川原社長は「中古物件を購入してリノベーションする場合は、新築よりも安く提案できなければ難しい。当社では自然素材にこだわり、耐震などもかなりしっかりやっているので、新築のローコスト住宅よりも高くなってしまう」と話している。

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