新築やリフォームを手がけるKONDOグループの近藤建設(埼玉県ふじみ野市)は自社で大工の育成を行い、正社員としての雇用も行っている。これは同社の大工不足問題の解決にもつながっている。今までに育成した大工技術者は累計140人。今年も1人が入社した。現在は同社に入社した新人を1年間教えている。
職人を正社員採用
ここで77歳のベテラン大工から大工の基礎を学ぶ
近藤建設では30年前から大工育成施設「テクニカルセンター」を運営し、数多くの大工を育成してきた。同社の現場では、自社で育てた大工が活躍している。専属大工が43人、平均年齢41歳の若手だ。さらに、正社員大工が8人いる。「現在、私たちの会社の仕事をしてくれている大工さんの8割がテクニカルセンター出身者です。私の会社では工務店を通さず、大工個人に発注、契約をしています」と宇佐見佳之社長は語る。
10年前は学んだ後は一人親方になり、仕事を依頼するという関係だったが、近年はテクニカルセンター入所希望者は正社員として雇用している。「時代の流れに合わせて、安心して働いてもらうために正社員として雇っています」と経営・広報推進室経営・広報チームリーダーの宇佐見智大氏は話す。
テクニカルセンター卒業生の卒業制作作品
熟練者が1年間指導
テクニカルセンターでは毎年4月に入社する大工志願者を1年間育成する。訓練生は同社の新入社員の位置づけなので、始めの一週間は他の職種の新入社員と一緒に社会人としてのマナーを学ぶ。その後、建築概念、設備、構造力学、安全衛生や測量実習、工具類の使い方などを身に付ける。午前は主に座学、午後は実技を学ぶ。講師は77歳のベテランの大工。大工の仕事を基礎から教える。訓練生は2月の建築大工技能検定2級の合格を目指す。

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