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長谷工リフォーム断熱改修で300億円へ

長谷工リフォーム 断熱改修で300億円へ

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第1号物件の総工事費は11億円超

長谷工グループの長谷工リフォーム(東京都港区)は老朽化した低層マンションの断熱性能などを高める「総合省CO2改修」を本格化する。具体的には「断熱化」「設備の高効率化」「スマート化」、さらに「耐震化」を複合的に行い、性能向上を図る。同モデルを推進していき、今期リフォーム売上高300億円を目指す。

 4月1日付けで長谷工リフォーム新社長に就任した鹿倉克幸氏は、「断熱改修は建物の省エネ効果が高まるほか、健康増進やヒートショック予防に効果があるとされ、メリットは多い」と話す。

 第1号プロジェクトとして、東京都多摩市多摩ニュータウンにある築31年の壁式低層共同住宅「エステート鶴牧4.5住宅」の改修工事をスタートさせた。1982年に竣工した29棟、計356戸のマンションで総工事費は11億円超。完成は2014年3月見込み。6月には1期の150戸分が完工予定。

 断熱化については外壁に50ミリのポリスチレン断熱材「ドライビットボード」を施工。開口部には後付けの樹脂製内窓を設置。省エネ等級では2から4へと向上させる。「Q値(熱損失係数)は5.3から1.94に改善する計算です。暖房エネルギーについては、従来よりも65%くらい削減でき、冷暖房費が年2万5000円くらい削減が可能になると見ています」(同社長)

 また、「断熱化が健康に良い影響を与えるという研究が進んでおり、そのデータを元に試算すると、病院に行く回数や薬品代が抑えられ、1戸あたり年間2万7000円の経済メリットがある」(同社長)。

 さらに「外断熱」を行うと、クラックなどのコンクリートの劣化を抑えることが可能となり、寿命が45年から90年に伸ばせるシミュレーションを行った。

 「設備」は共用部の照明をLED化し、高効率給湯器へ更新。「スマート化」については、高圧一括受電サービスやスマートメーター、HEMS、MEMS、太陽光、蓄電池を導入する。これらによりCO2排出量を23%削減できる。

 なお、この期に合わせて専有部分もリフォームを希望するユーザーが125世帯あり、順次インフィルのリフォームにも対応している。

 今後さらに性能向上リフォームを推進していく考えで、「対象となる住宅は営業エリア内に150万棟もあり、潜在ニーズは多い」(同社長)

 今回の第1号プロジェクトについては国交省の平成24年度住宅・建築物省CO2先導事業に採択されており、工事費の一部に補助がある。

 同社は共用部・専有部のリフォームを手掛け、約29万戸の大規模リフォーム工事の実績がある。前期売上高は約255億円。

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