【建材・設備流通会社売上高ランキング2019 ・注目企業リポート Case2】北恵、施工付き販売で211億円

・北恵は、商品の施工付き販売という独自モデルで売り上げを伸ばす
・同社の全体売上高に占める施工付き販売の売り上げは約40％に及ぶ
・今後は施工付きで販売できるオリジナル商品の開発・拡充を進めて行く

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200社の工事ネットワーク

　昨年10月には東証一部上場を果たした北恵（大阪府大阪市・北村良一社長）は、557億円を売り上げた。商品の施工付き販売という独自のモデルで売り上げを伸ばしている。

2017年11月　品目別売上構成比（連結）

全体の4割占める施工事業

　同社の成長の秘訣は、施工付きで住宅設備を販売していること。全体売上高に占める施工付き販売の売り上げは約40％におよぶ。2017年11月期の決算では、前期比約9％増の211億1580万円だった。

　同社が施工付き販売を開始したのは20年ほど前。「価格競争では大手には勝てず、プラスαの価値提供の必要があった」と経営企画部の高島敏治部長は話す。

　同社では全国約1200社による工事ネットワークを構築。独自の施工基準を設けるだけでなく、「K！PHOTO」を導入することで工事品質を高めている。これは、福井コンピュータ（福井県坂井市）の現場管理システム。現場管理者が携帯電話で現場を撮影し、そのデータをサーバーに蓄積していくことで、自社のオフィスや外出先から施工の状況を確認することができるというもの。得意先や施主もデータを見て現状確認が可能な点もポイントだ。

携帯電話で撮影した画像で現場を管理するシステムK!PHOTOサーバーを導入。
撮影画像は、北恵・協力会社・施主の三社で情報共有できる

外壁工事の実績は年間1万棟超

　施工付き工事の中でも特に多いのは外壁工事だ。17年11月期の実績では、首都圏で5733棟、全国では1万748棟にも上った。

　人気の理由は2つ。1つは、オリジナル商品の存在だ。例えば、軒天破風一体型板金の「シタジレス・ノキハフダーZ」。これは、破風板と軒天井を一体化するとともに、現場に合わせて工場でプレカットすることにより、工期の短縮や廃材の削減を実現した商品。こうしたオリジナル商品に加え、外壁工事に10年間の瑕疵保証を加えることで、施主や得意先の支持を獲得している。