新築の「スマートハウス」がブームとなる中、ハウスメーカー各社は既存住宅向けの「スマートハウスリフォーム」にも商機を見出し、さまざまな戦略を打ち出し始めた。太陽光発電、蓄電池、HEMSなどの設備販売が中心だが、中には断熱・耐震改修を含めて総合的な性能向上を図る企業や工事費込みのパック商品化する企業なども出てきている。
住友林業ホームテックは2012年4月10日、既存住宅のスマートハウス化を図る商品「スマートリフォレスト」を発表した。これは既存住宅に太陽光発電システム、HEMS(電力の見える化システム)、蓄電池、エコキュート・エネファーム・エコウィル等の設備を合わせて提案し、既存住宅の省エネ化を図るものだ。特徴的なのは、単に省エネ設備の導入にとどまらず、断熱改修も行う点。また、これらの省エネ改修に加え、昭和56年以前に建てられた木造住宅に対しては上部構造評点が1.1以上になる耐震リフォームも提案に組み込み、総合的な性能向上を目指す。売り上げ計画については、「断熱・耐震を除き、設備関係だけで年間20億円が目標」(営業推進部・大森昌靖副部長)。
2012年4月21・22日に行う「全国一斉リフォーム実例見学会」で新商品の説明会も行う。
ミサワホーム 3点で360万円パック販売
ミサワホームグループで首都圏のリフォーム事業を担当するミサワホームイング(東京都杉並区)は先月末から既に「ECO SMART REFORM」という名称でスタートを切っている。これは太陽光発電システム(同社オリジナル商品)、蓄電池、HEMSの3設備のパッケージ商品を既存住宅に搭載するもの。今月末までキャンペーン価格の360万円(税込・工事費込み)で提供している。「セットにして工事費込みの価格を打ち出すことで『リフォームでもスマートハウスができる』と分かりやすく伝えることがパッケージ化の狙いです」(ミサワホーム・経営企画部・広報IR課・武田路和氏)。自社新築OBの他、他社の一般木造住宅への提案も行っている。また、同グループではフジプレアム(兵庫県姫路市)と共同で従来型より重量が半分で躯体への負担を軽減する太陽光発電を開発するなど提案商品のバリーションも揃えて差別化を図っている。
積水ハウスグループも今期より「グリーンファーストリフォーム」という名称で既存住宅向けの営業を開始している。同社では今期のリフォーム全体の売上高は1300億円(前期1021億円)に設定している。「太陽光発電を中心としながら、断熱リフォームや燃料電池、エネルギーの見える化システムなどの推進をリフォームの分野でも行い、売上高の拡大を図る」(広報部・近藤公一課長)。

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