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中古再販、今期200戸販売へ住友林業

中古再販、今期200戸販売へ 住友林業

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「マンション一棟買い」軸に拡大図る

 中古住宅流通ビジネスが注目を集める中、住友林業(東京都千代田区)では中古住宅の買い取り再販事業を強化している。今期は200戸、来期は300戸と販売戸数を拡大していく方針だ。事業責任者の渡邊文孝氏に戦略を聞いた。


1棟マンション再生「フォレストヘイヴン瓢箪山」
1棟マンション再生「フォレストヘイヴン瓢箪山」
共用部の駐車場を、交流や子育てがしやすい庭に変えたことで子育て中のファミリーに人気だった

前期実績は98戸

 「中古住宅を単に転売するのではなく、住宅メーカーとして質の良いものを作って流通させていきたい」。こう話すのはリノベーション営業部部長の渡邊文孝氏。同社では2012年4月から中古住宅の買い取り再販事業を開始している。

 前期は計98戸の販売実績。1戸の平均単価はおよそ3000万円。売り上 げは約30億円。今期は200戸の販売を見込み、売上高は60億円弱を計画している。「来期は300戸。さらに500戸までは急カーブで伸ばしていく」(渡邊氏)。

 取り扱い物件は圧倒的にマンションが多い。販売した98戸のうち、マンションは92戸で、戸建ては6戸。同社では一棟まるごとマンションを買い取り、共用部、専有部をリフォームして売り出している。マンション92戸のうち、8割を占める74戸はこの一棟のものだ。現在、リノベーション事業部は32人。そのうち12人が営業担当となっている。同営業部が立ち上がる前は、主に築浅の集合住宅を一棟まるごと買い取り、3~4年保有した後に売却する「アセットソリューション事業」というものがあった。事業を行う中で築年数の浅いものを買って売却するというよりも、古い物件を良質に再生して流通させていこうという方針になり、2年ほど前から事業内容を変更している。

東名阪で展開

 物件の仕入れで最も重視するのは、1棟まるごとマンションを買い取るということ。これまで仕入れた物件は従来社宅として使われていたものや賃貸マンション。たとえ賃貸中の住民がいても買い取り、部屋が空いたら順次リフォームして売りに出している。

 戸単位ではなく1棟まるごとの仕入れを重視する理由は、販売物件が一度に数多く確保できるため。さらに、部屋内だけでなく、エントランスや共用部なども再生でき、競争力の高い商品を作れるからだ。

 戸建てについては住友林業で建てた家は当然のこと、他社の家も買い取る。 ただし、戸建てはあまり積極的に取り組んではいない。「私どもは表層的なリフォームではなく、構造から直し耐久性を高めることが当たり前だと考えています。そのため、本格的にリフォームすれば新築並みのお金がかかってしまうのでコストが見合わないものも少なくない」

 仕入れについては、グループの不動産会社である住友林業ホームサービスの他、不動産会社経由で購入する。ホームサービスの拠点が、東京、名古屋、大阪がメーンのため、買い取り再販事業もこれらのエリアが中心だ。

 仕入れる物件の条件については、ファミリータイプ、新耐震基準以降、リノベーションのしやすさなどを重視している。

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