2年に一度フランス・パリで開催される窓・ドア・鍵・日よけ・門扉をテーマにしたプロ向け展示会EQUIPEBAIE
2016(エキップベ2016)。11月15日~18日の4日間、フランス・パリ市内にある展示会場PortedeVersailles(ポルト ドゥ ヴェルサイユ)で開催された。リポートする。
15回目のイベント
高性能樹脂窓、ずらり展示
2万人超が来場
1986年から開催され今回15回目を迎えるこの展示会は、建築で扱う金属や金属工芸を展示したMETALEXPO2016(メタルエクスポ2016)と同時開催。国内の主な6業界団体の後援もあって、来場者は窓・ドア製造業者や設置者などのプロフェッショナルを中心に前回2014年の開催時より10%増の2万人超になった。国内、特に地方からの来場者が70%も増加した。
今回の出展社数は363社。フランス国内、海外25カ国から出展があり、52%の出展社が新規出展という点でも業界関係者から注目を集めた。主な出展内容は、窓・ドア建材、鍵・門扉・ガレージ、アクセサリー&コンポーネント、ガラス、自動制御システム、日よけ、サービス・設備品、工業機械・工具となっていた。
エコ窓工事で免税
フランスの窓は他のヨーロッパ諸国同様に断熱性・U値の高い樹脂(PVC)の窓枠のシェアが高い。窓のU値が1・3(窓の大きさ、設置場所によって数値は変わる)であって、RGEという「環境に配慮したエコ事業者」と認定された設置者によって取り付けられれば工事費の免税ができる制度がフランスにはある。このためか、樹脂窓への付け替え事例が増えてきている。フランスでは観音内開きの窓が一般的で、樹脂の場合は色が白やグレーの窓枠が圧倒的に多く価格も手頃だが、室内インテリアとの調和を考えるとちょっと物足りないのも事実。
個性派「プロフェルム」
今回の展示会ではカラーバリエーションはもちろん木調の優しい感じを樹脂枠で出していたり、ベロア調の手触りを実現した製品など、樹脂のイメージとは違う調和と高級感を出した出展も目立った。PROFERM(プロフェルム・フランス)では、特殊なフィルムや塗料で樹脂の窓枠をコーティングすることによってオリジナリティの高い窓を供給している。例えば子供部屋ではカラフルなデザインの窓枠を選び取っ手に子供の名前を付けることができる。外側は外装に合わせて同じ色の塗料、内装は部屋に合わせてフィルムコーティングという組み合わせも可能で、トータルカラーコーディネートを実現できる。
特殊加工の樹脂窓 窓枠をコーティング加工した樹脂窓(PROFERM)
暖かさを採り入れる窓
今回の展示会では、大型のアルミの引き戸式窓の出展も多く見られた。U値の点では劣るかもしれないが、日本と違って日照時間が冬と夏で大きく違うフランスでは、太陽の暖かさをどれだけ享受できるかもエコ住宅の大事なポイントであるので、近年引き戸式窓も注目が高まり、一般住宅でも見られるようになってきている。

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