メーカーのプロダクトデザイナーが
本当に伝えたい商品の魅力について語る
designerに聞く!vol.1
作り手が一生懸命考えた商品でも、売り手にその情報が伝わらず、商品価値や魅力がユーザーに伝わらない場合がしばしばある。リフォーム業界も同様だ。商品開発デザイナーが考える開発背景や意匠へのこだわりを知ることで、ユーザーへの商品プレゼンも説得力が増すはずだ。
ピアサス S-1 ユーロモード
永大産業(大阪府大阪市)
ピアサスS-1ユーロモードは日本にないキッチンを作りたいという発想からスタートしています。そこで、大きなデザインコンセプトとして「シンメトリー」にこだわりました。左右対称のキッチンは空間に置いた時に非常に落ち着きのある安定したデザインをもたらしてくれます。15㎝刻みでどんなサイズでもシンメトリーになるように設計されています。これは口で言うと簡単なのですが、商品として実現するのは非常に苦労しました。
左右対称のデザインが空間に落ち着きと美しさをもたらす
天板の見付けもできる限り薄くし、ヨーロッパのキッチンのようなスタイルを実現しています。他にも日本のキッチンだと蹴込みが10㎝以上あるのですが、シンプルなデザインには野暮ったくなってしまうので、5㎝までに抑えてモダンなデザインを壊さないようにしています。
面材の選択で明るい空間にも映えるデザイン。ガーデンの緑もデザインに取り込んだ空間を提案した事例
シンプルな美しさを追求したことで、様々なスタイルのデザイン空間に合うキッチンになりました。シンメトリーデザインと弊社の高いステンレス加工技術をベースとし、インテリアのテイストに合わせた面材を選ぶことで様々な表情を演出できます。
グリルをあえて入れないのが理想形。「デザイナーの立場としてはシンメトリーを壊したくないというのが本音です」(住設事業部次長 岡本 英昌氏)
「どれも同じように見える日本のキッチンにはない空間提案を可能にするキッチンにしたかった」(岡本氏)。シンメトリーというユニークな特徴を持ったキッチンの原点はこうした思いだ。

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