マンション用宅配ボックスの老舗企業が、戸建て商品の販売に本腰を入れ始めている。それぞれ20年以上の歴史を持つフルタイムシステム(東京都千代田区)と日本宅配システム(愛知県名古屋市)の商品と、専業メーカーならでのこだわりを聞いた。
フルタイムシステムの戸建て用商品。同社では「エクステリア家電」と位置付けている
もはや家電、冷蔵機能付き
今年6月、東京で行われた住宅関連展示会で、フルタイムシステムは来場者の度肝を抜いた。それが「フルタイムロッカーホーム」。
この高さ180センチ幅100センチの宅配ボックスは、大小7つの収納庫を完備。大量であるのみならず、さらにうち3つの収納庫は冷蔵機能を持つ。これにより、インターネットで購入した生鮮食品の受け取りなども可能になる。
価格は冷蔵タイプで120万円。住宅設備としても家電としても高額帯に属する商品と言える。
同社は1988年に設立。これまで2万6000棟のマンションに商品を導入してきた、宅配ボックスのシェアトップ企業だ。同社で広報を担当する、総務部の草野美佳さんは、「大量に売れるとは思っていない」としながらも、戸建て用商品を発表した経緯をこう語る。
「以前から年間20~30棟ほど、戸建てにも商品を販売していました。特にマンションで当社商品を体験し、戸建てでもこの便利な生活を送りたいという方が一定数いらっしゃいます。こういった要望が急増してきたため、正式に戸建て用商品を発売することになりました」
便利な機能は冷蔵だけではない。オプションでインターネットに接続させれば、荷物到着時にメールで通知させることもできる。また受け取りだけでなく、発送も可能。荷物を入れ、契約された宅配業者に電話すれば、集荷してくれる。フリマアプリで買い手のついた商品を送ったり、自宅まで服を取りに来てくれる宅配クリーニングの荷物のやり取りにも利用できる。
「会社理念は、マンションライフを快適にすること。今後は戸建てでも快適さを提供していきたい」(草野さん)
「トラブルボックス」と揶揄
「安全機能は最低限必要。同じ過ちを繰り返してはいけない」

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