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生産効率が25%アップした世界最先端のTOTO新工場

生産効率が25%アップした世界最先端のTOTO新工場

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国内企業の海外投資全盛の今、TOTOは125億円を投じて滋賀県湖南市に最新鋭の衛生陶器工場を完成させた。国内の衛生陶器工場としては23年ぶりとなるこの工場は、TOTOがこれまで培ってきた生産技術を惜しみなく投入し、従来に比べ生産性を25%も向上させた。
一体どのような技術革新で生産性を向上させることに成功したのか。

TOTO工場内部
▲928本のローラーがゆっくり動いている

従来手作業だった熟練作業をロボットによる自動化に成功

TOTO滋賀工場新西棟は、同社におけるものづくり革新の象徴ともいえる存在だ。海外ではなく国内に踏みとどまることで雇用を創出。さらに、国内コスト競争力を高めるため、現行の生産ラインに比べ25%の生産性向上を実現。そして、顧客に素早く製品を届けるための生産リードタイム(生産開始から完成までの時間)の短縮を徹底して追求している。生産効率25%工場を実現させたポイントは主に3つある「熟練作業の自動化」「最新型トンネル窯」「型替自動化・高速化」だ。

TOTO工場内部
▲最新のトンネル窯に便器が飲み込まれていく

2つのパーツをロボットが正確に接着

【 熟練作業の自動化 】

泥しょうが流し込まれた型から出てきたのは、粘土細工のような便器の胴部分とリム(温水洗浄便座を取り付ける胴上部)の2つのパーツ。ローラーによって移動したこの2つのパーツは、胴リム接着ロボットの前に移動。

最先端技術のため写真ではお伝えできないが、ロボットは、素早い機械音とともにアームをリムに伸ばすと、まだ柔らかいはずのリムを崩すことなくスーッと持ち上げる。次の瞬間には、待ち受ける下の胴部分にピッタリと接着していく。この間約90秒。真空圧の力を使うことで、傷つけることなく持ち上げることが可能なのだという。その後、2人の作業員が、接着部分などをならし、綺麗に仕上げていた。

長さ111m!便器が移動しながら焼き上がる

【 最新型トンネル窯 】

乾燥が終わった便器(施釉品)が、ローラーに乗り、長さ111mのトンネル窯の中にゆっくりと吸い込まれていく。中の温度は1180度。窯の奥には炎が見える。これから約15時間をかけてじっくり焼きあげられていくのだ。

トンネル窯は、大きく分けて焼きあげる部分と冷ましていく部分にわかれているが、この窯の最新型たる所以は、便器を冷やす際に出る排熱を燃焼に回すことで、燃焼効率が向上したこと。排熱の再利用はすでに他でも行われているが、加熱して再利用するのは世界でもここだけだ。

その結果、高い燃焼効率と理想的な温度調節を実現。従来の同型窯と比べ燃焼効率が約15%、レンガ窯に比べると70%もアップしているという。

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