2011年、節電対策として導入が続いた窓用遮熱フィルムの需要が今年も高まりそうだ。住友スリーエム(東京都世田谷区)では例年需要が落ち込む冬の時期でも受注が増加、2011年12月~2012年1月の受注は震災前の前年同期比139%となった。
住窓用遮熱フィルムメーカー住友スリーエムでは2011年、想定以上の注目が集まり、一部の製品で供給が追いつかない状況になった。今期も引き合いの伸びが継続するとの見込みから、フィルムの供給体制を約4倍に増強。震災前である2010年の5倍以上の需要拡大を期待する。
同社では需要拡大の想定から施工スタッフの増強による販売体制の強化にも取り組んでおり、その1つがダスキンとの連携強化。ダスキンは2010年の2月からフィルムの取り扱いを開始し、2012年1月時点で対応店舗数が409店舗となった。2012年度は100店舗増加の500店舗での取り扱いを目指している。
同じく窓用フィルムを販売するライフガードジャパンのプロダクトソリューション室の梅野攻良氏は「窓の透明度は低くなりますが、色付きの遮熱効果が高いフィルムや冬でも効果があるフィルムの需要が増えています」と話す。最新のフィルムは冬に室内の輻射熱を跳ね返す効果を持つ商品もあり、暖房費の削減につながる。夏と冬、1年を通じて効果があるため人気が高まっている。
こうした流れから日東電工(大阪府大阪市)では2011年の10月に遮熱性と業界最高レベルの断熱性能があるフィルムの開発を発表した。このフィルムは室内からの熱放出を約35%減少することができる。2012年度下期から本格販売を開始する計画だ。
市町村の中には窓用フィルムに補助金を設けているところもある。こうした助成制度も需要増の追い風となりそうだ。

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