ガス給湯器のエコジョーズ化が進んでいる。2年前、業界団体は2013年3月末までに、ガス機器メーカーが生産する全てのガス給湯器をエコジョーズに切り替える「エコジョーズ化宣言2013」を発表。2010年度に約21%であったガス給湯器のエコジョーズ比率は1年で約25%に伸びた。各販売事業者も販売を強化しており、普及が進みそうだ。
▼エコジョーズ販売数の推移
高効率ガス給湯器であるエコジョーズは今まで「価格が高い」「工事が大変」などのネックがあり、 本格的な販売に乗り出す企業が少なかった。しかし、ここ最近その動きに変化が出てきた。今年に入り一段と仕入れ価格も下がったことから、特にガス事業者で販売に力を入れる動きが見える。
サーラグループの中部瓦斯(愛知県豊橋市)は昨年度販売した、既築向け風呂釜用給湯器の7割以上がエコジョーズとなった。
営業部リビングマーケティンググループ、阿部康治副課長は「もうエコジョーズの提案をしないと、後でお客様からだまされたと言われかねない価格になりました」と話す。在来給湯器とエコジョーズを比較すると中部瓦斯の料金体系で年間約1万円のコスト削減メリットがあるため、もし提案を怠ると「こっちの方が得だった」とクレームになる可能性もある。そこで同社では導入メリットの説明を強化。集合住宅は排水処理の問題で取り付けが難しいが「戸建て住宅ではほとんどがエコジョーズになっています」と阿部副課長は言う。
また、八日市場ガス(千葉県匝瑳市)の椎名浩取締役常務営業部長は「昔は食いつきが悪かったのですが、昨年あたりからエコに対するお客様の関心が高まり、販売しやすくなりました」と話す。
工事費を含め7~8万ほど従来の給湯器よりも高いが、同社では販売するガス給湯器の約6~7割がエコジョーズになった。
カナジュウ・コーポレーション(神奈川県横浜市)もエコジョーズの販売割合を増やしている。2年前は約2割であったのに対し、今年は約6割がエコジョーズ(リフォーム部の販売実績)になった。
「ここ1~2年で価格が下がってきているのと、エコジョーズ化宣言が来年に迫っていますから、その説明をすると納得して購入いただける方が増えました」(加藤克巳部長)
給湯器メーカーの動き
◆ノーリツ
決算において、現状29.0%(2011年12月時点)のエコジョーズ出荷比率を1年間で33.5%(2012年12月予想)にする計画を発表。既設集合住宅に対応可能なエコジョーズを発売するなど、商品ラインナップ拡充にも動いている。
◆リンナイ
2011年度のエコジョーズ比率が約25%であったが、販売数の増加を見込み、2012年度の生産体制を昨年の倍以上となる70万台にしている。
◆パーパス
今年度エコジョーズ割合を約1割増やす計画を掲げており、来年には静岡にエコジョーズ専用の工場を新設する。生産体制を確立し、今後の増産に備えていく。

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