イタリアのミラノで、世界の家具やキッチン、バスが集まる展示会「ミラノサローネ」が2012年4月17日から22日までの6日間開催された。世界160カ国のメーカーが集い、来場者は33万人を越える世界有数の展示会だ。リフォーム産業新聞社では、現地取材を敢行。取材で分かった世界の最新トレンドと日本への影響についてリポートする。
会場は東京ドーム5個分 20万㎡以上の巨大会場
「ミラノサローネ」は、バイヤー、業界関係者が世界中から集まる、家具・住宅設備の一大見本市。その規模もケタ違いだ。「ミラノサローネ」は、大きく2つに分かれる。1つは、東京ドーム5個分、20万9000㎡の巨大会場で「家具」「キッチン」「バス」や各設備・備品を展示する「イ・サローニ」。もう1つは、ミラノ市街で企業が独自にブースを構える「フォーリ・サローネ」である。会場にとどまらず、街全体で開催する一大イベントなのだ。じっくり見て回っていてはとても6日間で回りきれない規模。「ミラノサローネ」はその総称なのである。
今年は前年比3.1%増 海外比率は6割超える
ミラノ市郊外のローと呼ばれる地域の展示会場で開催された「イ・サローニ」では、約160カ国、1750の出展企業がブースを構える。今年の来場者数は、前年を3.1%上回る33万1649人となった。例年海外からの来場者が多く、今年は、約19万人、全体の64.5%に達する。
「イ・サローニ」の会場では、主に5つの展示が行われる。ソファーやテーブル、収納などの家具を展示する毎年開催の「サローネ国際家具見本市」、インテリア小物の「サローネ国際インテリア小物見本市」、2年に1度開催される、キッチン家具を展示する「サローネ国際キッチン家具見本市(EuroCuina、以下エウロクチーナ)」、キッチンに関わる最新テクノロジーの機器・設備を展示する「FTKキッチンテクノロジー」、バス関連の展示を行う「サローネ国際バスルーム見本市(以下国際バスルーム見本市)」だ。
芸術の街ミラノで開催されるだけあって、各ブースは趣向を凝らした展示を行っている。
ミラノ市街全体が展示会場 大手メーカーがブース構える
「フォーリ・サローネ」では、多くのメジャーキッチンメーカーがショールームを構える。近年、大手メーカーは、郊外で独自ブースを構える動きが加速しているという。実際、「ブルトハウプ」「ヴァルクチーナ」「スキッフィーニ」といった大手キッチンメーカーは、この「フォーリ・サローネ」でショールームを展開していた。
ショールームでは、単に製品説明を行うだけではない。夕方になると食事やワインを提供して顧客を迎えるのが、食の国イタリアならではのもてなし方。日頃の重要顧客や来場者で賑わう、夕方から夜にかけてが本番だ。ミラノサローネは夜まで続くのである。
これらのうち、取材班は、「エウロクチーナ」「FTK」「バスルーム見本市」、そしてミラノ市街の「フォーリ・サローネ」のキッチンメーカーショールームを徹底取材。2年に一度のキッチン・バス・トイレの一大イベントの模様と最新トレンドを10ページにわたって大特集する。
以下、記事より見出しを抜粋。
- 「厨房」ではなく「家具」としてのキッチンを展示 生活空間と調和したデザインを重視 (12-13面)
- 収納力・機能性の向上に特殊な技術は不要 シンプルなアイデアで使い勝手向上を実現 (14-15面)
- リビングと一体になったキッチンでテクノロジーは快適性の維持という新たな役割を担う (16-17面)
- バスルームは洗い場からリラックスする場所へ くつろぐためのサイドチェアを提案 (18-19面)
- バスルームというプライベート空間を飛び出して部屋に設置されるバスタブ・シャワー (20-21面)
- ◎空間全体をデザインするヨーロッパ 最小スペースで最高の機能性を求める日本 (22面)

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