「将来の加齢による身体能力の低下に備え、どんなリフォームをしたらよいか」-。そんな不安を解決する空間展示が大建工業のDAIKEN秋葉原ショールーム内にオープンした。「備えるリモデル」空間と名付けられた同コーナーは、夫の退職を機に大規模リフォームをした夫婦をモデルに構成。将来、車椅子生活になった際、再度の大規模工事を行わずとも快適に過ごせる工夫が盛り込まれている。
「備えるリモデル」空間は実際にリフォームをした住宅の1階の一部を想定し作られた。まず、玄関には、収納ボックスを兼ねたベンチが備えてあり、上がり框で行う靴の脱ぎ履きと比較して、どれだけ動作が楽になるか体感できる。また、子供たちが独立したあと余裕が出た靴箱を小さくし、隣に小さな上着掛けを設置。玄関に上着がおけると、クローゼットまでの移動を軽減できる。
玄関の収納ボックス兼ベンチ
「上着掛けには、タオルもかけておけますので、その場でふいてレインコートも入れられます。私たちはフューチャーと呼んでいるのですが、今必要な工事をするだけではなく、将来車椅子生活になっても困らないような提案を盛り込んでいるのです」(新居好治テクニカルアドバイザー)
玄関の先には、床に1500の数字と白い円のテープが貼ってある。この1500mmというのは自由に車椅子で回れるサイズであり、その広さを体感できる。
6月に発売予定の「ひきドア」は車椅子使用者が単独でトイレに入ることを可能にするドア。ドアをすべて開くと、1000mm以上の有効開口スペースをとることができる。
「今回設けた寝室は和室を改装したイメージです」と新居氏。ベットの脇にはL字の手すりが置いてあり、手すりを使いながらの寝起き動作を実際行うこともできる。また、同空間の天井には防音材のクリアトーンがはってあり、高齢になりTVの音をあげても、同じ家で住む家族に配慮できる工夫を盛り込んである。
この「備えるリモデル」空間は、6月にオープン予定の福岡ショールームにも導入予定。せっかく大型リフォームをするならば、将来に備えて何を考えたらいいかの、ヒントが散りばめられている。

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