LIXIL(東京都千代田区)は世界トップクラスの断熱性能を持つ樹脂窓「エルスターX」と、アルミと樹脂の高性能ハイブリッド窓「サーモスX」を来年1月以降発売する。2020年の住宅省エネ基準義務化を見据え、国内最高レベルの高断熱窓を市場に投入することで日本の窓の高断熱化を牽引したい考えだ。
「新しい窓の歴史を」と藤森社長
多層ホロー構造採用
エルスターXは、国内最高かつ世界トップクラスの断熱性能を実現。熱の伝えやすさを表す熱貫流率(U値)は0.79W/㎡.K(クリプトンガス入りトリプルガラスタイプ)となっており「窓の断熱基準の厳しいヨーロッパでも通用する技術」と藤森義明社長は語る。
高断熱を可能にしている新技術の1つは、新構造の樹脂フレームにある。フレームの露出を最小限に抑えるとともに、ガラス面積を従来に比べ約10%拡大。樹脂窓でありながらスリムなフレームを実現した。
またフレーム内の中空層(ホロー)を増やす「多層ホロー構造」を採用、断熱効果を最大限発揮できる構造になっている。
搭載するトリプルガラスは、室内側と室外側の両方にLow-Eガラスを使用。さらにトリプルガラスに特殊薄板ガラスを採用し、従来より約2割軽量化、施工性をアップした。 サーモスXでも、スリムなフレームデザインと高断熱性能を両立。U値1.05W/㎡.K(クリプトンガス入りトリプルガラスタイプ)と、樹脂窓同等の断熱性能を実現している。
両商品で3種類のタイプから選ぶことができる
「日本の歴史を変える窓」
LIXILの窓の構造別構成を見ると、2013年度から主力のアルミペアガラスに代わり、アルミ樹脂複合窓の伸び率が拡大。最近では売り上げ全体の3割が樹脂窓およびアルミ樹脂複合窓。2016年から建築物の規模別に断熱義務化が進むことから、6年後の2020年度には樹脂窓およびアルミ樹脂複合の占める割合を7割にまで拡大させ、このうち2~3割を今回発売のエルスターXとサーモスXで構成したい考え。
藤森社長は「2つの窓を通して新しい日本の窓を提案していく。新築にしろリフォームにしろ新しい窓の歴史を作っていきたい」と話す。
価格はエルスターXが縦すべり出し窓(トリプルガラス・クリプトンガス入り)、W640×H1170㎜で13万9300円。サーモスXが同タイプで10万6600円。
エルスターXは2015年1月発売、サーモスXは3月。両商品合わせて2017年で150億円の売り上げを目指す。

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