深刻な経営の危機を、ネットでのインテリア販売によって脱したリフォーム会社がある。それが愛媛県伊予市にある「日昇」。同社はネット販売開始から7年で、年間18億円を売り上げる企業に成長した。オリジナルブランドによる商品づくりのこだわりや、ユーザーの購買意欲を高める工夫を取材した。
風評被害で経営危機に
同社がインテリアなどのネット販売事業を開始したのは2007年。当時のリフォーム業界は、悪徳業者をめぐるトラブルがニュースで数多く取り上げられ、業界全体の売り上げが冷え込んだ「冬」の時代。同社もこのような風潮にともない、一時3億円あった売り上げを1億8000万円まで落としていた。
この危機を救ったのが、社長の息子である高橋秀典氏。高橋氏は当時大阪を拠点にゴルフ用品のネット販売事業で成功しており、地元で父が経営する同社の危機を、ネット販売事業で救おうと考えた。専務取締役に就任し、家具などのインテリア販売サイト「快適ホームズ」を設立。サイト立ち上げから3年の2010年で、月商1000万円を突破した。
同年には同サイト上でシーリングライト、ペンダントライトなどの照明関連商品の売り上げ比率が高かったことから、OEMの自社ブランド「ボーベル」を設立。同時に楽天市場内にインテリア照明専門ショップを立ち上げた。現在ではこのサイト単体で年間6億円を売り上げ、5つの同社のECサイトで最も高い売り上げとなっている。
オリジナルLED電球でニーズに応える
サイト上で販売するのは、自社ブランド商品100点、他の10社の商品を含めると400点に及ぶ。自社ブランド商品としては、天然素材カスピ貝を使い、花をモチーフにしたペンダントライト「DALI」や、網状の鉄のシェードを被せたシーリングスポットライト「TRAP」などが人気だ。広報の中野修平氏は「デザインだけでなく、自社で企画したオリジナルのLED電球もユーザーからの人気が高い理由」と話す。「リモコン電球」は、リモコン1つで、電球そのものが無線をキャッチし、消灯・点灯はもちろん、明るさの調整や電球色から蛍光灯色への切り替えも可能。「レトロ電球」は一般的な白熱灯よりさらにオレンジがかった色の明かりがともる。「ユーザーの照明の使い方として、場所やシーンによって照明の明るさや色合いを使い分けることが増えていると当社では考えています。例えばダイニングテーブルの上の照明の場合、子供が勉強する時は蛍光灯色、夕食の時にはリラックスできるように電球色などに切り替えています」(中野氏)



同社ではデザインだけでなく、ユーザーの使い方に配慮した商品企画を行っている。調色や角度の調節機能を備えている商品が多い
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