今年のグッドデザイン賞で「ベスト100」に選ばれた上に、特別賞の「グッドデザイン・未来づくりデザイン賞」を受賞した住宅管理ソフト「イオパン」。受賞したイオグランツ(大阪府大阪市)の山中健司社長に取材した。

授賞式での山中健司社長(右)
住宅の知りたい所にかざすと、壁や基礎の中が見える
―――グッドデザイン大賞、金賞に次ぐ特別賞を受賞。大賞と金賞が20点、未来づくりデザイン賞が20点ですから、名だたる企業の商品が40点受賞した中で、御社の住宅のプレゼン、記録管理用のイオパンが入ったのは快挙ですね。
イオパンは、あらかじめ全天球カメラの画像を撮っておき、イオパンに入れておくことで、住宅の知りたい所にかざすと見えなくなった壁や基礎の中を見ることができるものです。さらに知りたい部品部材の映像にふれるだけで手入れや修理の情報を見ることが可能です。全天球カメラの画像を活用しているので、新築時に狙った箇所だけを記録として残すのとは違い、後で見たくなった箇所も見ることができます。家が完成してしまって見えない部分を後から見ることができる点を評価していただきました。

住宅の見えない部分をかざして見るという新しい体験を提供する
―――審査委員71人の「私の選んだ一品」にも選ばれ、「タイムマシーン・インターフェイス」というキャッチコピーが付けられていました。
本質を一語で表現されてすごいなと素直に思いました。使用のシーンは新築時の施工記録から、生活者が棚を吊ったり家具を固定する時、リフォーム設計時の構造体や配管の把握、転売時の住宅性能の見える化まで多くの局面が考えられます。
―――現状の写真とCADで作った完成予想図を重ねてリフォームのプレゼンにも使えそうですね。
プレゼン用のCADソフト「Walk in home」で作ったパースを全天球画像にすることで対応できます。今の住まいとリフォーム後の住まいを重ねて見るという体験は、きっとリフォームの営業でも力になってくれると思います。こうした新しい体験を提供できるソフトウェアの開発をウチのような中小企業でもできるという自信につながりました。
これまで、「見せる」という点にこだわってきましたが、今後もリフォーム後の完成イメージや住宅の内部をより簡単に、より効果的に見せることができる取り組みを続けていきたいですね。

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