キッチンに一大ブームを巻き起こした、静かに閉まる引き出しレール「ブルモーション」。いまやヒンジには、ブルモーションは必須の機能だ。このブルモーションを開発したオーストリアの家庭用金物メーカー、ブルム社が、東京で開催された「Japan Home & Building Show 2014」に出展。同社の製品を使った最新のキッチンスペースについてリポートする。

(図1)ブルム社が提案するダイナミックスペースキッチンの5つのゾーン
5つのゾーンに分割収納と作業を効率よく
この展示会のために来日したブルム社のセールス担当、ニナ・セッピ氏は大学で日本語を専攻。「ブルム社では実際のキッチンでの人の動きをビデオ撮影して解析しています。その結果に基づいて、ダイナミックスペース・キッチンという効率的で収納力のあるキッチンのコンセプトを提案しています」と流暢な日本語で話す。
ダイナミックスペースとは、人間工学的な視点で作業性と収納力を効率よく最適化した空間のこと。
キッチンには、食品、食器、鍋、調理器具など実に多くのものが収納されているが、キッチンでの実際の動きを考慮しないで収納しておくと、無駄な作業が増えて効率が悪くなる。
そこで同社は、キッチンを5つのゾーンに分割。「加熱」「下準備」「水まわり」「食器」「食品」の5つのゾーンに分け(図1)、それぞれのゾーンに最も適した目的別収納スタイルを提案している。
引き出しや扉が押すだけで開閉
さらに、今回の展示は2015年から発売される新商品を中心に、ヨーロッパの展示会と同じスタイルの展示ブースを開設。
ブルモーション機能に加え、同社が開発した最新のテクノロジーである、楽しく快適な作業を実現する電動式オープンサポートシステム「サーボドライブ」や、プッシュオープン機能の「チップオン」を搭載。軽く押すだけで開閉する引き出しや扉で構成された、見た目にシンプルで機能性も高いシステムキッチンが紹介された。

「食器ゾーン」の吊り戸に搭載されたサーボドライブ
「サーボドライブを使った引き出しは開閉がとても楽で快適です。押すだけで開くので、ハンドルをなくすことができ、フラットでスタイリッシュなキッチン空間になります」(セッピ氏)

引き出しのハンドルがなく、スッキリしたデザイン

「水回りゾーン」のシンク下のデッドリースペース(未使用部分)を有効活用した引き出し

「加熱ゾーン」には、鍋などが取り出しやすく収納
より居住空間に近いキッチンが主流となる中で、ブルム社の提案がキッチン空間をより快適な空間へと進化させているのが実感できる展示となっていた。

最新記事
この記事を読んだ方へのおすすめ
-
1655号(2025/07/07発行)1面
-
1654号(2025/06/23発行)25面
-
1654号(2025/06/23発行)25面
-
1654号(2025/06/23発行)23面
-
1654号(2025/06/23発行)23面