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窯業サイディング、進化する木目調デザイン

窯業サイディング、進化する木目調デザイン

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 施工性の良さやデザインバリエーションの豊富さから、外装材の中で最も普及している窯業サイディング。最近人気が高いのは木目調のデザインだ。表面の塗装技術が向上し、天然木のリアルな質感や自然の風合いが表現できるようになっている。

木目調デザインの表現力が向上

 近年の住宅の外観は、シンプルモダンや和モダンなどモダンスタイルのデザインが人気だ。中でも木目柄の外装材をアクセントに使うケースが増えている。各メーカーとも木目デザインの商品開発に力を入れており、独自の技術で木の質感・表現力を向上させている。

木の質感を表現するグラデーション塗装

 木目調のデザインで独自の技術を生かしているのはケイミュー(大阪府大阪市)。一色の塗装で模様の凸部は色が薄く、凹部にかけて徐々に色が濃くなるように塗装する「グラデーション塗装」により、自然な質感や天然木の風合いを表現している。光触媒コーティング、セラミックコート採用で防汚機能に優れ、紫外線にも強い。

一色の塗装で模様の凸部は色が薄く、凹部にかけて徐々に色が濃くなるように塗装する「グラデーション塗装」

 同社は木目調の製品を多数ラインアップしている。フルカラージェット塗装を施して古木の雰囲気を出した商品や、古木材の柄に古色調の塗装を施してナチュラルな質感を再現したものがある。

ケイミュー「エストレモウッド」。
ケイミュー「エストレモウッド」。

アンティークな趣の木目柄が特徴。同社独自の新技術「グラデーション塗装」により、古木、焼杉、オイルステインのような風合いを実現している(写真提供/ケイミュー)

鋸目をあえて残し自然な風合いに

 ニチハ(愛知県名古屋市)は、粗く削った鋸目(のこめ)をあえて残すことで、木特有の風合いを表現している。

 また、全面に塗装を施し、塗料が乾ききる前に柄の凸部の塗料をかき取る「ワイピング塗装」という独自の技法によって凹凸による濃淡を強調し、高意匠の木目柄を再現した。紫外線や熱に強い高耐候のハイパーコートを採用。汚れを雨で洗い流すセルフクリーニング機能付きで、長期にわたって防汚機能を発揮する。

 さらに、シックハウスの原因となる化学物質(4VOC基準適合)を除く新規高耐候性塗料を開発・採用。内装にも使える環境に配慮した設計となっている。

ニチハ「モエンエクセラード キャスティングウッド」製品と施工例。
ニチハ「モエンエクセラード キャスティングウッド」製品と施工例。
木がつくり出すダイナミックな迫力とともに、自然の和みを感じさせる色調。2012年グッドデザイン賞受賞
(写真提供/ニチハ)

実際の木目をかたどって再現

 実物の木目をかたどり、多数の異なるカラーを使用して、ぼかし加工やロールプリント加工で奥行きのある質感を表現しているのは、旭トステム外装(東京都江東区)。視覚だけでなく、肌触りにもこだわってデザイン性を高めている。

 セルフッ素コートにより塗膜15年保証に対応。雨で汚れを洗い流すセルフクリーニング機能付き。

旭トステム外装「モダンウッドSF」施工例。
旭トステム外装「モダンウッドSF」施工例。
実物の木目をかたどって奥行きのある質感を表現。施工例は、1階部には白、2階部には木目柄を張り分けしたもの
(写真提供/旭トステム外装)
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