建築用金属材メーカーの岡部(東京都墨田区)が開発した、筋かい用接合金物「ブレスターZ」が話題だ。

両端のスリットが特徴のブレスターZ
同商品は巨大地震の際に起こる木造筋かいの破損を減らすもので、昨年のグッドデザイン賞も受賞した。金物による木造筋かいの固定は義務付けられているが、一般的な金物では、震度6以上の強い地震の場合、固定しているビスが外れたり、金物の固定部分から木材が割れることもある。
特徴は、両端についているスリット。強い地震が発生した際、このスリット部分が変形することで、筋かいの破損を防ぐ効果がある。倒壊のリスクを減らし、地震後に脱出できる可能性を高めることが目的だ。
「開発のきっかけは、6年ほど前に行った免震システムの実験。中越地震と同程度の揺れを試した際、免震システムそのものは問題なかったのですが、内部の筋かいは砕け、ビスは抜けていました。これでは免震しても倒壊の危険があると考え、開発がスタートしました」(木材建材グループ・足立智広課長)
価格は1つ640円。同社では、初年度1億円の売り上げを計画し、「命を守る金物」としてPRを行う予定だ。

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