「INAX」時代からの"焼きもの"技術で量産化を実現
LIXIL サンヴァリエ〈リシェルSI〉
本物志向の50代、60代のリフォーム世代をターゲットに開発されたキッチンがLIXILの「サンヴァリエ〈リシェルSI〉」だ。素材・機能デザインの3拍子揃い踏みを狙った野心的な商品で、同社のシステムキッチンの中では最上位クラスの商品となる。

システムキッチン「サンヴァリエ〈リシェルSI〉」と上席執行役員キッチンGBU BU長の大西博之氏
キズや汚れ、衝撃に強い"セラミック"が新登場
「リシェルSI」の最大の特長は"セラミック"のカウンタートップをラインアップに追加したこと。
キッチンのリビング・ダイニング化が進む中で、カウンタートップにはデザイン性の高い人造大理石を採用するケースが増え、市場全体では6割に達するといわれる。だが「人造大理石は熱やキズ、汚れや変色に強いのか?」と不安を感じるユーザーも多かった。その点、セラミックは熱による変色をはじめ、キズや汚れ、衝撃にも強い。
しかし、美しさを保ったまま長く使用できる半面、加工が難しかった。同社では「INAX」時代からの長年のタイル製造で培われた"焼きもの"技術により量産化を実現した。

セラミックトップは焼きもの特有の凹凸感も表現
「セラミックトップは、近年ヨーロッパなどでも注目されています。繊細な表情をつくり出し、今までにない上質なたたずまいでキッチンを個性的に彩ることができ、本物志向のリフォーム世代にアピールしていきます」(上席執行役員・キッチンGBU BU長、大西博之氏)
扉もセラミックトップと調和する同柄のファインクラフトシリーズをはじめ全15シリーズ48色を用意した。16種類の取っ手とあわせて全411通りの組み合わせが可能。LDK空間とのトータルコーディネートが楽しめる。キャビネットにもこだわり、耐久性に優れ、臭いや汚れの付きにくい高品位ステンレス18-8を使用したタイプもラインアップした。
使うときだけラクに吐水「ハンズフリー水栓」

吐水も止水も自動のハンズフリー水栓
機能面では、手や物を近づけると水が出る「ハンズフリー水栓」を新たに追加。対象物の動きを逃さず感知するセンサーと、吐水口下にある物の距離を正確に測定するセンサーの2種類を採用することにより、従来のセンサーが苦手としていた透明なコップや黒色のフライパンなども感知しやすくなった。吐水・止水を制御し、スムーズで効率的な作業が行えるため、調理中の水栓操作を約68%削減し、かつ1日約30リットルの節水効果がある。
「商品名のSIは『スマート・イノベーション』の意味。毎日の暮らしをより美しく賢く過ごしていただくことを願ってつけました」(大西氏)
価格は、セラミックトップ、ステンレスキャビネット、ハンズフリー水栓を装備した場合、写真のようなアイランドタイプにすると、約250万円になるが、同社では本物志向のリフォームユーザーに強く訴求していくという。
年内の売り上げ目標は「リシェルSI」全体で3万2000セット、そのうちセラミックトップは2割を目指す。
LIXILのキッチンは、中級品「アレスタ」の品質やデザイン性が高く、これまで上位シリーズの「リシェル」との差があいまいな部分があった。今回の新商品投入でその差別化を狙う。
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