LIXIL(東京都千代田区)は、既存壁を生かした耐震リフォームを可能とする新工法「アラテクト」を開発した。

既存の壁の上から施工できる新工法
新工法は、橋脚の補強や防弾服にも使用される高強力繊維「アラミド繊維」を厚さ1mm以下のシート状に加工した「アラテクトシート」を使用。既存の室内壁の上から専用の座金・ビスで固定するだけの簡単施工で、構造用合板同等の耐力(5.3kN/m)を発揮する。
従来の壁の耐震補強では通常、柱梁に補強材を固定するため天井・床の解体が必要だが、新工法では、壁・床・天井を解体せずに施工できる。そのため短工期・低コストで、住みながらの耐震改修工事が可能となる。
「従来の一般的な工法では費用が180万円かかるところ、アラテクトならば仕上げまで含め100万円で耐震リフォームができます。抑えた費用で省エネ改修など、さらなる性能向上リフォームを提案することもできます」(高性能住宅工法部 構造躯体開発グループリーダー 笠井達也氏)
建て替えるにはまだ早く、補助金も使いにくい1981年から2000年に建てられた住宅をメーンターゲットとし、コストメリットを生かして新たな市場開拓を狙う。
「アラテクト」は、一般財団法人日本建築防災協会より住宅等防災の「技術評価」を取得しており(評価番号:DPA‐住技‐ 64)、設計、施工者は、事前に技術講習の受講が必要。4月より全国13会場で技術講習を展開、講習修了社より順次発売を開始。初年度は1500社の受講修了を目標としている。

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