新年第1弾の特集企画は「住宅ストック市場の新シナリオ13」。本誌編集部ではリフォーム市場、中古住宅市場において、これからどんなビジネスがトレンドになっていくのかを予測し、13のキーワードとしてまとめた。
廃材、職人不足、遊休不動産活用など、社会問題解決に商機
世界一の高齢化国の日本では、今後リフォームにおいて「高齢化対応」(1)をプランに盛り込むことが不可欠だ。そして、急増する古ビルや集合住宅の有効活用も社会の大きな課題。新しい利用者のための「コンバージョン」(2)が求められる。
欧米先進国に大きく引けを取る中古住宅流通もまだ進まない。「ホームステージング」(3)という手法が注目されてくる。空き家の解体などで廃建材が急増する中、いかに「リユース」(4)するかの知恵が求められる。インバウンド需要で不足するホテルを補おうと「民泊」(5)も増え、オーナーのためのリフォームも伸びそうだ。
すでにブームになっている「DIY」(6)だが、リフォームはプロだけに頼む時代が終わり、これからは自分でできることは自分で改装というムードが高まっていきそうだ。業者の頭を悩ます「職人不足問題」(7)も後回しにしていると、経営リスクが高まるだろう。施主のため、中古流通のためにも、改修の「履歴管理」(8)は最重要。「家歴書」作成はますます必要性を帯びてくる。
地震国の日本では、これからも最適な「地震対策」(9)が求められる。ストックが有り余る中、有効活用するための「シェア」(10)には商機がある。空室が増えている賃貸住宅には、これまでの原状回復だけでは限界があり、「新型賃貸改修」(11)が必須だ。
テクノロジーが進化していく中、人工知能を使ったAI提案(12)も進む。そして、活気を失う地方には、「地方創生」(13)につながるリノベーションが重要な鍵を握る。
日本が抱える社会問題や市場の課題解決こそがビジネスチャンスになる。
【住宅ストック市場の新シナリオ13】
コンバージョン グローバルエージェンツ、社宅をソーシャルアパートメントに
リユース リビルディングセンタージャパン、廃建材をレスキュー
民泊 エイジィ、SQUEEZE 民泊リフォーム増殖中
DIY 紬「KUMIKI PROJECT」 自宅やオフィス、みんなでDIY
職人不足対策 KMユナイテッド、「ママ職人」が急成長中
履歴管理 カナエル、「ヒストリーファイル」で改修履歴を保存
地震対策 ミサワホーム、邸別の被災度判定計
シェア 軒先、デットスペース仲介
新型賃貸改修 モクチン企画、改修のレシピ化
AI提案 アイランドスケープ、イタンジ 人工知能でプランニング
地方創生 ノウト、過疎地を救うリノベーション

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