多摩産建材メーカーの挑戦
都心のオフィスに天然木の建材が使われ始めている。東京・森と市庭(東京都西多摩郡)はオフィス向けの奥多摩産ヒノキ材フローリングなどの商品を開発し、ぬくもりのあるオフィスづくりをサポートしている。
NPO法人フローレンスのオフィス
クレイジーのオフィス
「森リノベーション」開始
「都心と奥多摩の森をオフィスでつなげたい」
そう話すのは、同社の菅原和利営業部長。同社は2013年に設立。林業を通じた地域プロデュースを行うトビムシ(東京都国分寺市)ほか4社によってつくられた。
同社が主に行うのは、オフィス利用を前提とした建材の生産と販売。山主と呼ばれる山林の所有者から土地を借り上げ、管理の際に発生する間伐材を使って建材を生産している。
主力商品の1つが「モリユカ09」。ヒノキの間伐材を使った50cmの床パネルだ。価格は平米当たり7500円。
今年から力を入れるのが、「東京の森リノベーション」と名付けたオフィス改修のコンサルティングサービス。改修プラン決めから設計士の紹介などをトータルでサポートする。
「商品を販売していく中で、お客さんは木がそのものではなく、木があることでぬくもりのある空間が欲しいと気付きました。そのためには、オフィスづくりの入り口から出口まで私たちで面倒を見る必要があります」(菅原営業部長)
まず同社、設計会社、内装業者、依頼主である企業の役員・社員でワークショップを実施。「理想の働き方」を全員で話し合う。その後、具体的な設計プランを決定し、建材などが決まったら、床や棚、壁などは依頼主自らDIYで作り上げる。
「無垢材をオフィスで使うのはハードルが高い。天然木ならではの反りなどもクレームになってしまう。自分たちでDIYすれば、『もっとオフィスをよくするにはどうすればいいか』というようなポジティブな相談が来ます」(同部長)
節のあるスギ材を使った壁

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