キーワード:シニアの生活を支援
高齢化社会の中では、リフォームはもちろん生活の困りごとを解決するサービスはよりいっそう求められてくる。社名の通り、まさに「御用聞き」を低価格で提供する会社も出てきた。
衣替えに合わせて夏服と冬服の入れ替えを依頼されることも
「自分がすると危険」を代行
東京都板橋区にある高島平団地。8000戸もあるこのマンモス集合住宅群を拠点に今人気を集めているサービスが「100円家事代行」だ。提供する御用聞き(東京都板橋区)には毎日のように、近隣の人からの悩み相談が寄せられている。
同社のサービスメニューは2つある。1つは「100円家事代行」だ。これは、5分100円で顧客の簡単な困りごとを解決するというもの。例えば、「植物への水やり」、「ゴミの集積場に代わりに捨てに行く」、「食器洗い」、「風呂掃除」などなど。2つ目が「助かるサービス」だ。こちらは主に家具の移動など少し力のいるもので料金は5分あたり300円。どちらも、素人が無資格でできる範囲で、プロのようなクオリティを求めないことが条件になっている、簡単な作業だ。現在の受注件数は月間100件以上。日々問い合わせは増えているという。
主な相談内容は室内の電球交換と家具などの移動だ。どちらにも共通するのが「危険を伴う内容」であることだ。電球交換の場合は踏み台から落ちる可能性があり、重いものの移動は腰を痛めることが考えられる。
「以前自分でしてみて、骨折したりぎっくり腰になったりして、独力で行うことを怖がる人が多いですね。そういう人は直せなくて困っている」(古市盛久社長)
またユニークな依頼も多い。例えば、団地共用部の廊下の掃除当番に当たっている60代の男性居住者から、「朝7時の掃除を代わりにしてほしい」というものがあった。夏の時期、廊下にはセミが落ちており、死骸も嫌だが、近づいて急に飛び出すのも気持ち悪いので代わってほしい、ということだった。
また、高齢者だけでなく若い人からの依頼も増えている。主婦からの相談で、赤ちゃんが生まれた直後で手が離せないから買い物に代わりに行ってほしい、というものだ。
「御用聞き」のメニュー
5分100円メニュー
- 電球交換
- 電池交換
- あて名書き
- 郵便物回収
- びんのフタ開け
- カートリッジ交換
- ウォーターサーバー付け替え
- 日常的なお掃除
5分300円メニュー
- 家具、粗大ゴミ移動
- 草むしり
など
「支払った方が安心する」
なぜ5分100円という価格にしたのだろうか。古市社長は次のように話す。

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