テーマ:施工管理
昨年は働き方改革関連法の対象が中小企業に広がった。残業時間を減らし、少ない労働時間で高いパフォーマンスを発揮することが求められている。リフォーム業は労 働集約型ビジネスで、非効率な業務も少なくない。デジタル化で課題を解決する事業者が出てきた。
モリシタ・アット・リフォーム
LINEで現場を遠隔管理施主の評価4.1から4.45に
LINEやZoomなどのオンラインツールを活用して現場を遠隔管理しているのがモリシタ・アット・リフォーム(兵庫県姫路市)だ。
オンラインツールを活用して現場の打ち合わせを行っている
同社では、職人が現場の納まりや工事状況などをLINEやZoomで映し、違う場所にいる営業と現場監理を行うスタッフが確認しながら指示をする。また、職人が着工前に下見へ行き、現場の状況をLINEやZoomで映しながら打ち合わせすることもある。スタッフが事務所にいる場合はパソコン、外出している場合はスマートフォンで確認する。職人にモバイルWi-Fiを支給しており、現場のネット環境を整えられるためスムーズなやり取りが可能だ。森下吉伸社長は「直接現場に行って確認する場合もありますが、LINEなどを使った方が動きやすいので使う頻度は増えています」と語る。個人間でやり取りする場合はLINE、大勢でやり取りする場合はZoomを使う。
また会議や打ち合わせ、交流などはZoom、写真や図面、資料の共有などは現場監理アプリ「ANDPAD」を活用している。
森下社長は元々、働き方改革で長時間労働の解消などが求められる中、業務時間を増やさず売り上げを伸ばす手段としてオンラインツールの活用による業務効率化が重要と感じていた。その中で新型コロナウイルス感染症が拡大し、感染症対策としてLINEなどを活用したリモート管理を行うようになった。
現場の遠隔管理のメリットとして、森下社長は現場管理の時間短縮と作業効率の向上を挙げる。移動時間が短縮され、その現場にいなくても色んな場所で打ち合わせができるため、「複数の現場の仕事が同時にできるので効率的」と語る。
「LINEなどのリモート管理は、現場以外の場所での職人との会議や打ち合わせ、ミーティングも含めると約6割、打ち合わせの対象現場からのやり取りだと約5割です」
また、オンラインツールを使うと現場がスムーズに進むため仕上がりが上達し、在宅中の施主からの評判が良くなると話す。実際、コロナ禍前の施主のアンケート評価は4.1だったが、現在4.45に向上している。
同社では約5年前からANDPADを導入し、1、2年前から施主とLINEでやり取りするなど以前からオンラインツールを活用していたが、今回のコロナ禍をきっかけにオンライン化が加速 した。
昨年4月には職人を集め、新型コロナウイルス感染症対策を行った上でLINEの講習会を実施。アプリのインストール方法や使い方などを教えた。その後、実際に職人がLINEを活用して現場監督とやり取りすることのメリットを感じ、徐々に定着していった。「職人さんとの関係が、発注者と下請けに止まるのであればこうした協力は難しいでしょう。職人さんも仕事仲間なので一緒に楽しんだり勉強したり、日頃から交流することが大事だと思います」
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