「建築図書館」ショールームを活用し、前年から1億円近く売り上げを伸ばしたリフォーム会社がある。年商5億6000万円のゆうき総業(山形県上山市)だ。塗装・防水工事がメインだったが、玄関や駐車場周りにタイルやデザインコンクリートを敷く外構工事が全体の約2割を占めるまでに増加。来場者をわっと驚かせる展示にこだわった、独自の店舗を取材した。
【リポート/編集部 後藤梓】
タイルサンプルは100種も
88種の塗料サンプルは回転パネルにして展示
同社の250平米あるショールーム「建築図書館」は、手のひらでは収まらない大きさのサンプル材を数多く用意し、ユニークな見せ方をしている。塗料のサンプル材は、60センチの正方形で88種を用意。よく選ばれる色とメーカーから選んだ。さらにサンプル材は裏と表で4点ずつ組み合わせて、回転パネルとして設置している。計11種の回転パネルは1つ1つに照明をあて、塗料選びをワクワクさせるような演出に工夫を凝らす。
「より手で触って塗料の質感を確かめたくなるよう、手動でまわせる仕掛けにしました。特に注目されるのは、イタリアの高級塗料VALペイントの鮮やかな青色でしょうか。高級価格帯の塗料についても知っていただき、質問されることが増えたと思います」と結城伸太郎社長は語る。またタイルのサンプルも用意し、その数は約100種類に及ぶ。正方形・長方形と30~50センチの大きさで、美術館のように複数の壁を設けて入り込むように閲覧できるのが特徴だ。主に名古屋モザイク工業、ニッタイ工業、平田タイルの商品を使用し、木目タイルなど珍しいものも。身近にないタイルへ関心を高めるきっかけになっている。
さらにカーポートを再現したスペースや玄関前入口には、スタンプコンクリートやモルタル造形で一面にさまざまな色やデザインを施し遊び心を意識した。ほかにも住宅ではなく旅館をイメージしたオーダーの浴室、塗装だけではなく左官工事も施した商談スペースまで充実している。

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