東京都心部で年約4000件もの工事を手がけるジーク(中野区)が好調だ。2022年1月期の売上は前期比3億円増となる21億5000万円となった。売り上げの約8割が賃貸物件の原状回復工事だが、直近では原状回復の枠に収まらない高額受注が増していることが理由だ。
例えば、キッチンやバスなど水回り住設の交換に、アクセントクロスを取り入れるなど、300万円以上のリフォームをコンスタントに受注。そのなかには間取り変更など1000万円以上の案件が7件あり、売上にして3億3000万円に達した。その前年は1000万円受注がわずか1件、2億7000万円の売上だったので急増している。
宮下真社長は次のように分析する。「建材高騰などが要因で新築の値段が上がっている。消費者は持ち家から賃貸や中古住宅を選ぶ方向にシフトしているのを感じます」。賃貸需要の高まりを受けて、管理会社やオーナーからこの機会により魅力のある物件にしよう、家賃を上げることはできないか、といった相談が相次いだ。
同社が新築時から原状回復を手がけてきたマンションやアパートが築10年以上を経過し、住宅設備を一新する、といった潜在需要が生まれてきていることも背景にある。そこに一級建築士事務所ならではの設計、施工力を持つことで信頼を得ている。
ジークの業績の推移
※原状回復のなかにその他事業も含む

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