化学物質を使わず、自然素材を利用して建てる注文住宅を年14棟ほど手がける成建ホーム(鹿児島県薩摩川内市・年商約4億円)は2年前からリフォームに力を入れ始めた。前期のリフォーム売上高は約1億円。無垢の漆喰を差別化の武器に、1000万円超のリノベーションの受注件数を伸ばしている。
漆喰、リノベ受注の切り札に
明るい空間、ショールームでアピール
漆喰の良さを体感できる成建ホームのショールーム
単価アップと差別化に成功
もともとは新築主体の工務店だったが、成建ホームは近年、リフォーム提案を強化している。背景にあるのは新築価格の高騰だ。住宅1次取得者に向け中古住宅や持ち家のリノベーションを提案するケースが増えてきた。前期は平均単価1200万円のリノベーションを6棟受注。特徴は、新築のこだわりである漆喰塗りをリノベでも徹底している点だ。
同社が漆喰にこだわる理由は、2点ある。ひとつは単価のアップ。もうひとつは他社との差別化だ。単価は全面改装の場合、約150万円ほど上がる。だがそれ以上のメリットは、漆喰を塗ることが消費者への大きなアピールになる点だ。
背景には、地元の鹿児島ならではの風土がある。澁谷大海社長によれば、鹿児島は台風が多くて、じめじめしている気候が多い。漆喰を塗ることで、湿気によるダメージを受けにくくする。しかも明るい居住空間を実現できそうだ、と消費者が感じることができる。「梅雨の時期でもさらっとした空気の中で過ごせることをアピールします。漆喰はクロスに比べて汚れが付きづらく、メンテナンスの手間がかからないため、初期費用がかかっても、後々は漆喰の方が安く済むことをお客様に伝えます」と力説する。

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