本紙は500万円以上のリフォームを手掛けた事業者の年間受注件数をランキング化した。1位は「新築そっくりさん」のブランド名で大型リフォームを手掛ける住友不動産(東京都新宿区)で、受注件数は7000件を超えた。2位には住友林業グループ(東京都千代田区)がランクイン。性能向上改修に強い会社が上位に入る傾向が見られた。
断熱改修が単価を押し上げ
首位は耐震補強や間取り変更を得意とする住友不動産だった。件数は7099件で前年より204件少なくなったが、売上高は伸び、「新築そっくりさん」の平均単価は前年比12%増となる1400万円を超えた。なお、会社全体でのリフォーム平均単価は900万円ほど。
2021年より販売開始した「高断熱リフォームプラン」の引き合いが増えたことが理由だ。「日本ではこたつやストーブで人を温めるのが当たり前で、家全体を暖める、という考え方はありませんでした。今はカーボンニュートラルという社会的な要請もあり、認識が変わってきました。もともとは北海道や東北のニーズが多かったのですが、今は本州や九州で増えています」と、新築そっくりさん事業本部の中野誠本部長は話す。
2位につける住友林業グループも省エネ化、耐震など性能向上リフォームの提案を強化してきている。こちらも新規顧客からの平均受注単価は500万円台から600万円台へと上がっている。「例えば、電気代が上がっていて困っている顧客には太陽光や蓄電池を、部屋が寒い、という顧客には断熱改修を提案します。単純なモノ売りにならないことが大事」と、同グループのリフォーム事業を担う住友林業ホームテック(東京都千代田区)の島原卓視社長は説く。
4位には、マンションリフォームを手掛けるリノベる(東京都港区)が入った。同社も性能向上に力を入れていく方針を掲げる。4月には積水化学工業(大阪府大阪市)と資本業務提携を行い、断熱改修に強い同社のノウハウを吸収していくつもりだ。
例えば、厚みのある断熱材「フェノバボード」を使うなどして壁面の断熱化を推進。ZEHレベルへの改修を目指す。さらに今後はマンションだけでなく戸建てリフォームも手掛けることで、より高単価な案件の受注につなげていく。
「積水化学工業の持つ断熱工法と弊社のデザイン提案、マーケティング力を合わせて、ZEHリノベーションの市場を拡大していきたい」と、上席執行役員の三浦隆博氏は意気込みを語る。

最新記事
この記事を読んだ方へのおすすめ
-
1659号(2025/08/04発行)4面
-
1659号(2025/08/04発行)1面
-
1658号(2025/07/28発行)25面
-
1658号(2025/07/28発行)23面
-
1658号(2025/07/28発行)7面