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基礎補強工法で、来たる地震に備える

基礎補強工法で、来たる地震に備える

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日本衛生センター(東京都国立市)が開発した、低コストかつ短工期で施工できるオリジナルの基礎補強工法「SOLID REMAIN(ソリッドリメイン)」。昨年4月の発売以降、全国の工務店やリフォーム会社をはじめ一般ユーザーからの問い合わせは増える一方だ。

独自開発でアラミド繊維引っ張り強度15%アップ

日本衛生センター 独自開発でアラミド繊維引っ張り強度15%アップ基礎補強工法の内容イメージ3D図

ソリッドリメインは、同社オリジナルのエポキシ樹脂で、アラミド繊維シートをコンクリート表面に接着固定して補強するハイブリッド工法。従来のコンクリート増し打ち工法や鋼板巻立て工法と比較して低コストなうえ、一般的な住宅なら床板を剥がさずに1~2日間と短工期での工事が可能になった。また同社の従来品に比べてエポキシ樹脂のコンクリート接着力と圧縮強度が大幅にアップしたことに加え、配合粘度を下げたことにより、塗りやすさと施工性も向上した。

今回、アラミド繊維そのものを独自開発したことで、従来品に比べて繊維の引っ張り強度が約15%アップして性能を向上させたほか、樹脂色もネイビー色から基礎に馴染みやすいグレーに変更させた。

頻発する地震や自然災害に立ち向かう

元日に発生した能登地震をはじめ、今年は震度5以上の地震が頻発しており、これまで以上に基礎補強の重要性が注目されている。同社の担当者も「地震が起きるたび、協力会社や販売会社からの問い合わせが増える。工事を提案する側の意識が変わり、より基礎工法に意識が向くようになったのは良いことだと思う」と語る。

とりわけ、能登地震では地盤に対する被害が大きかったこともあり、住宅の重みを支え地震の揺れを受け止める基礎の強度への関心も高まっている。基礎補強をしても液状化や地盤変状は避けられないものの、それに伴う家の傾きや不同沈下による基礎への負担を軽減することが可能だ。まだ数は少ないが、アラミド繊維を使った基礎補強工事に助成金を出す自治体もある。

同社によると、ソリッドリメインはリフォーム適齢期の住宅が多い関西・四国地方を中心に売れ行きが好調で、全国各地から基礎補強と金物に関する問い合わせが増えているという。

水性樹脂により環境性能が向上

日本衛生センター 水性樹脂により環境性能が向上環境に配慮した水性プライマーも用意

環境や作業者に優しい素材を使っているかも、その普及にとっては重要だ。ソリッドリメインでは、昨年から負担が比較的少ない水性のプライマーを開発し提供している。先の担当者は「作業者や施主のためにも、安全性の高いものを勧めたいとの思いで作った。環境性能を上げることもミッションのひとつ」と語る。

基礎の劣化を放置していると、経年によって生じるダメージだけではなく、地震などの衝撃にも弱くなり住宅の耐久性に影響を及ぼす。日本は、国土が世界の0.25%に対して、マグニチュード6以上の地震発生率は同18.5%(出典「国土交通白書2020」)を占める特殊な地域だ。持続可能な住宅にとって欠かせない、基礎補強の重要性を多くの業者や施主が理解し、積極的に手がけてほしいものである。

日本衛生センター 内基礎の上塗り施工の様子内基礎の上塗り施工の様子

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