カタログは、商品選定において役立つツールだ。あらゆる情報が記載されており、商品の特性や施工方法を確認するときにも重宝される。
しかし、商品の開発秘話や商品に対するメーカーの思いに触れることや同ジャンルのメーカーを俯瞰して比較することはカタログだけでは難しい。そこで、各ジャンルの商品開発担当者にカタログのポイントや新商品の開発秘話、商品に対する思いについて語っていただく新企画を始動。
今回は、水栓メーカー3社(SANEI・カクダイ・KVK)の開発担当者を直撃。各社の強みと水栓のトレンドについて聞いた。
item1 ホームパーティー需要に対応
予洗い水栓プレパシュ+ Y49[SANEI] 価格:5万4000円
ホームパーティーを開催する際、グラスやコップを軽くすすいで再度利用する機会があると思います。しかし、毎度蛇口を捻りスポンジで軽く擦ることは積み重なれば手間となります。そこでプレパシュ+の出番です。付属のアーム部をコップなどで下側に押し付けることで出水。持ち上げることで自動的に止水を可能にしました。形状は、コンパクトでシンクのふちに設置しても邪魔にならない点も特徴です。
また、ペットボトルや哺乳瓶など内部に触れにくいところにも洗い流せるのでカビ予防にもなります。
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SANEI
コーポレート本部 マーケティング部 広報課
前野英雄課長
560ページに商品数6163点掲載(うち新商品173点)2024年は創業70周年であり、「過去を振り返りつつ、次への飛翔となるように」とのメッセージが込められている。「当社は、デザインにこだわった商品ラインナップの豊富さが特徴です。さまざまな空間に合う商品がきっと見つかります」
item2 ランドリールーム需要に注目
スロップシンク #CL-K1200SK[カクダイ] 価格:4万円
近年、衣類乾燥機や洗濯機の充実によりランドリールームを設ける空間提案が増えています。そのなかで、子どもの汚れた靴や衣類を洗える大きさと深さがあって、おしゃれなスロップシンクが欲しいという要望から新商品を発売しました。
従来の製品は理科実験室のシンクの派生版が主流で、デザイン性と機能性が釣り合っていませんでした。そこで、角型でバケツも置きやすいデザインとゴム栓を採用することで大流量の排水に対応する機能性を備えた商品となりました。
カクダイ
営業本部 コンシューマーマーケティング部
川端雄介推進課長(右)と能島りょう氏(左)
920ページに商品数9238点掲載(うち新商品785点)
遊び心にある表紙と商品掲載数の多さでニッチな需要にも対応。商品の特徴や使用方法について写真を拡充させて伝えている。「直近4年間で100ページ追加とし、商品の改善と刷新を続けています。困ったときに開いてもらえるカタログを目指して今後も展開します」
item3 水栓の色にさらなる選択肢を
KM7061シリーズ[KVK] 価格:5万9800円
水栓のカラーラインナップにおいてマットブラックが定番化。次のインテリアトレンドを追うとグレーなどの中間色が業界に定着しつつある動きを発見しました。
そこで、光沢を抑えつつ洗面ボウルやアクセサリーとの空間調和を可能にしたマットグレーの洗面水栓を拡充しました。
近年、洗面ボウルやアクセサリーもアースカラーや素材にこだわったラインナップが発売されています。水栓も空間に合わせて色の選択肢が増えるようにしたいです。
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KVK
営業本部 営業推進部 営業企画課
濵口皓太氏
528ページに商品数約4000点掲載(うち新商品約60点)細かなパーツにも品番を設けて柔軟な対応を可能にしている。カタログの表紙にもこだわりがあり、毎年単色を採用することで事業者の持つカタログの年数を瞬時に判断できるようになっている。
「製品分解図や製品年表を掲載することで、カタログを開けば代替品から部品1個の品番まで分かるようになっています」

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