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ブルースタジオ、駅前の廃墟団地が人気住宅地に

ブルースタジオ、駅前の廃墟団地が人気住宅地に

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 2015年、神奈川県座間市に誕生した「ホシノタニ団地」が注目を集めている。小田急電鉄(東京都新宿区)が保有していた築45年以上の団地をリノベーションしたのが、ブルースタジオ(東京都中野区)。リノベで1つの「街」を築いた仕掛けを、大島芳彦専務に紹介してもらった。

ブルースタジオ 神奈川県座間市にあるホシノタニ団地の外観神奈川県座間市にあるホシノタニ団地の外観

菜園、運動場、カフェ併設

 この団地は元々小田急電鉄が保有していた、計4棟約100戸の社宅。以前から新耐震基準を満たさない構造や、設備の老朽化により空室が拡大。さらに入居者以外は敷地内に立ち入ることを禁止していたため、駅前から徒歩数分という立地にかかわらず、さながら廃墟のような光景が広がっていた。

 小田急電鉄がブルースタジオにこの団地再生の相談を持ちかけたのは、2011年冬。その後、検討期間を経て、14年に工事開始。およそ7カ月の工事の後、ホシノタニ団地は完成した。

 ブルースタジオは、4棟のうち2棟を賃貸住宅として再生。住居部分のみならず、近隣住民も利用可能で、専門家によるサポートも受けられる農園も設置。さらに運動場、ドッグラン、カフェ、市が運営する子育て支援センターを新設し、地域に開けたコミュニティー型団地としてよみがえらせた。

ブルースタジオ 改修した団地の1室改修した団地の1室

ブルースタジオ 敷地内には地域住民も使える農園も完備敷地内には地域住民も使える農園も完備

物件の強み生かすリノベ

 ホシノタニ団地はどうやって作られたのか。大島専務は、「遊休不動産の再生は、企業の建て直しに似ている」と話す。

 「その物件が持つ強みを見つけることが必要。私はこの『人』が『ここ』で『いま』でないとできないことは何か、という観点に基づいて再生のコンセプトをつくっている」

 同団地にとって、「人」とは小田急電鉄のこと。デベロッパーと異なる公共性の強い存在であり、自治体にはできない大胆な取り組みが可能だった。次の「ここ」は、駅のそばでありながら、広大な敷地が広がっていること。車が入ってこない、自由に使える土地という魅力があった。「いま」という観点としては、若年夫婦が近年関心を寄せる、自然環境の良い立地での子育てに着目。近隣にある里山を最大限にPRした。

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