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室内にバルコニー、塾跡地を家に
住宅リノベーションをはじめ、商店や病院など、年間約40件のデザインを手掛ける人気設計事務所が、福岡県北九州市に本拠地を置くタムタムデザイン。リノベーション住宅推進協議会(東京都渋谷区)が実施する「第4回リノベーション・オブ・ザ・イヤー」では、同社が手掛けた「アーケードハウス」が大賞を受賞した。シャッター商店街の「店」を「家」に再構築したこの物件の魅力に迫る。
福岡県行橋市の商店街の一角にある「アーケードハウス」。大開口のガラス窓から商店街を見下ろすことができる
他にない大判ガラス
まず目を引くのは、幅7m、高さ1.6mの大開口。ガラス窓の向こうに広がるのは、立派な庭園でも開けた海岸でもなく、廃れたシャッター商店街の風景だ。夜になると多くの店は店じまいしてしまうが、ここに1つ、暮らしの明かりが灯る。
福岡県行橋市にある駅前商店街。「アーケードハウス」はその一角、元は学習塾だった店舗の2階部分にある。
これを設計した田村晟一朗社長は「初めてこの物件を見に行った時、一目で絶対に面白い家になると思った」と話す。
「元からこの大きなガラス窓があり、商店街を見下ろすこんな物件は他にはなかなかない。施主様がこの商店で生まれ育っている、愛着のあるこの商店街で生活したいということだったので、最大限これを生かそうと考えました」
しかし建物が隣接する商店街という性質、さらに頭上に広がるアーケードという条件だったため、採光が問題になった。当初は既存の天窓を生かそうとも考えたが、中心に四方をガラスで囲んだインナーバルコニーをつくることとなった。
インナーバルコニーがあるため、家族が別々の部屋にいても、存在が感じられる
自然光を採り入れるとともに、ほぼ全ての部屋にバルコニーが隣接しているので、部屋のどこにいても、家族の気配が感じられるつくりになっている。

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