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手軽さが人気
デベロップ(千葉県市川市・岡村健史社長)が提供するコンテナモジュール建築が話題を集めている。従来はトランクルームでの利用が多かったが、近年は店舗やホテル、住宅まで様々な建物に利用されている。ホテル事業担当役員の楠原誠二常務取締役に話を聞いた。
アメリカのロードサイドモーテルをコンセプトにした「HOTEL R9 SANOFUJIOKA」
低コスト短工期を実現
同社のコンテナモジュール建築の魅力は手軽さ。例えば、広さ60坪の2階建て倉庫を建てる場合、鉄筋コンクリート造と比べて費用も工期も半分ほどで済ませることができる。理由は3つ。1つは中国でモジュールを生産している点。国外生産ではあるが、JIS規格を取得しており、同社のコンテナモジュールを構造体として使用した物件は鉄筋コンクリート造と同等の強度を誇る。
2つ目は、一般的な輸送に使われる40フィート、20フィートコンテナと同じ規格でつくられていること。そのため、従来のインフラを利用して、コンテナモジュールを輸送することが可能。3つ目は、出荷前に外壁や屋根の施工を工場で済ませてしまうこと。これにより、現場での作業を大幅に減らすことができる。
構造を丸ごと再利用
コンテナモジュール建築だからこそできるのが、既築物件の構造を他の場所でそのまま再利用すること。新築から100年経っても十分使用可能だという。
例えば、10月28日に栃木県佐野市でオープンした「HOTEL R9 SANOFUJIOKA」。同店は2012年1月に石巻市で建てられた、震災復興従事者向けの仮設ホテル「ホテルサンプラザアネックス」の構造体を再利用したもの。当時の部屋数は41室。
住設などの在来部分は全て廃棄し、コンテナ部分のみの状態にした上で輸送した。工期は4カ月。費用は鉄筋コンクリート造で新設した場合と比べて6割ほどに抑えることができた。
石巻市に作られた仮設ホテル「ホテルサンプラザアネックス」を移築して構造体を再利用
コンセプトは「アメリカのロードサイドモーテル」で、内装のデザインは高級ホテルを手掛ける設計者に依頼した。居室は20フィートコンテナ1つをそのまま利用。睡眠スペースとして特化させるために、寝心地の良さに定評がある「シモンズベッド」を採用した。
客室のベッドには「シモンズベッド」を採用するなど、寝心地にこだわっている

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