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省エネリノベ普及を目指す断熱や消費性能を見える化

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省エネリノベ普及を目指す 断熱や消費性能を見える化

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なぜ、省エネリノベーションは必要なのか。リノベーション協議会(東京都中央区)は、約600社の正会員に向けて、省エネリノベーションのノウハウ提供や実務面のサポートを行っている。施主を含めて、関心が高まるテーマの現状と課題解決に向けた取り組みを、同協議会の樽宏彰氏に聞いた。

「手段とコストの不明」が敬遠要因に

──はじめに、省エネリノベーションが必要な理由を教えてください。

既存住宅のストックが世帯数を上回る状況で、リノベーションの需要は高まっているものの、省エネについては未だ普及しているとはいえません。昨今の気候変動問題やエネルギー価格高騰を考えると、省エネリノベーションが必要だと感じます。

新築では今年から、省エネ基準適合が義務付けられ、今後、リノベーションに関してもそれに準じたものが求められていくでしょうね。

──現状、省エネリノベーションは進んでいるのでしょうか。

先進的窓リノベ事業や子育てエコホーム支援事業といった補助金制度によって部分的な省エネリノベーションは進んでいるものの、省エネ基準適合住宅やZEH水準の省エネ住宅は、まだそこまで普及していないのが現状です。

──省エネリノベーションに関心が集まっているものの、あまり普及してないのが課題ですね。

昨年開催された「脱炭素リノベシンポジウム」での事業者向けアンケートで、省エネリノベーションに取り組む際の課題や阻害要因を挙げてもらいました。結果は、1位が「省エネ計算が分からず面倒で、どこに頼んで良いか分からない」でした。他には「省エネリノベーションのコストが見えない」「顧客への説明ツールが欲しい」「省エネリノベーションの施工と管理方法が知りたい」といった声がありました。

どのくらい省エネ効果があるのか、どのくらいコストがかかるのか、施主に説明しにくく、難しいものだと捉えられていることが分かりました。

──そのような状況のなか、協議会としてどのような取り組みをされているのか教えてください。

まずは、省エネ計算を依頼できる会社を紹介しています。他にも、2月下旬から協議会で定めるマンション専有部の省エネリノベーションの基準「R1住宅エコ」の名称を「エコキューブ」に変更し、省エネレポートの提供も開始します。

住宅事業者が顧客へ説明するハードルを下げるために、レポートでは省エネ性能を見える化。省エネリノベーションの普及を目指します。

リコシス 省エネルギー性能レポートのサンプル省エネルギー性能レポートのサンプル

──レポートを利用したい場合はどうしたらいいですか。

エコキューブに登録することで当協議会の省エネレポート機能が活用できます。

レポートは、省エネの計算結果を入力してもらえたら、エネルギー消費性能や、断熱性能、改修前後の目安光熱費が自動で出てきます。光熱費を目安に省エネ基準に適合すれば、住宅ローン減税で優遇されるなど、省エネリノベーションをする意味を的確に伝えられるツールになっています。利用が増えるほどシステム化も進んでいくので、多くの事業者に利用していただきたいと思っています。

省エネリノベーションに取り組む会社を100社に

──今後、協議会として省エネリノベーションに関してどのような取り組みやサポートを考えているか教えてください。

まずは、省エネ計算のサポート体制を整え、事業者への案内と省エネレポートを普及させていきます。コスト面でメリットを認識できないことには事業者も動きにくいですし、まずは省エネリノベーションの事例を増やしていきたいです。

建築費が高騰するなかで、省エネに対してコストをかけるのは大変なことです。改修前と改修後で快適さが見えにくく、価格転嫁がしにくいことは否めません。

ただ、5年後、10年後に省エネ対応をしていないと資産価値としても厳しくなるのではないかと考えています。住む人が快適になる成功事例を共有して、省エネリノベの価値が認められれば、おのずと普及していくと思っています。省エネリノベーションをする会社を100社に増やしたいですね。

リコシス 事務局 樽宏彰氏事務局 樽宏彰氏

問い合わせ先

リコシス かえる。くらし。すまい。リノベーション協議会リノベーション協議会(東京都中央区)
事務局 電話番号 03-6910-3825
メールアドレス info@renovation.or.jp

会社紹介

リノベーションにかかわるあらゆる事業者が横断的に集まった団体。それが、リノベーション協議会です。わたしたちは、リノベーションによる既存住宅の性能や価値の再生・向上によって、住まいを求める人が"じぶんらしく""無理なく""自由に"住まい選びができる市場をつくります。そして、地球環境にやさしく、真に豊かなくらしの実現に寄与してまいります。

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