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窓まわりインテリアの専門アドバイザー、「窓装飾プランナー」制度が誕生する。この資格制度は部屋の条件をはじめ、インテリアのデザイン・機能・コストに関する知識を元に、ユーザーに最適な商品を提案するスペシャリストを育成するもの。2014年9月には、同資格制度の試験が実施される。
顧客の希望を尊重しながら、機能性とデザイン性、経済性を追求する。窓装飾プランナーにはこれら3つの資質が必要だ。
専門家がアイテム選びのトラブルを解消
この制度を立ち上げたのは、一般社団法人日本インテリアファブリックス協会(東京都港区)。吉川一三会長は「専門家を育成し、一般ユーザーに適切なアドバイスをすることで、窓装飾を楽しむ文化の普及、暮らしの質の向上を目指したい」と意気込む。
今回の制度立ち上げの背景には、ユーザーが窓まわりインテリアを選ぶ際の悩みが大きく関わっている。窓まわりはカーテン、ブラインド、ロールスクリーンなどアイテムの種類が多く、そのデザインやカラーも豊富で、近年は遮光・遮熱などの機能が加わっている。同協会の細井晃彦課長は、「ユーザーがこのような中から選ぶ時、アイテムに関する適切な情報を得ているとは限りません。機能・デザイン面で自分の想像と違うものが設置され、満足度が得られないケースも起きています」と話す。同資格制度は、幅広い知識を持った専門家がアドバイスすることで、このようなトラブルを未然に防ぐものと期待される。
インテリア市場は年間売り上げ約5400億円(2012年度)で、カーテンがそのうち約20%を占める。そのため販売店にとって窓まわりの提案は重要で、この資格制度を活用することで競合他社との差別化が図れる。「今回の話を聞いたインテリアショップや大型家具店からは、『売り場に窓まわりに精通したアドバイザーが欲しかった』との声が上がっています」(細井課長)
来年3月にテキスト発行、試験は9月に
来年3月に「窓装飾プランナー」が持つべき知識をまとめた専門テキストが発行され、9月には第1回資格試験を実施する。受験者は主にインテリアショップの販売員を想定しているが、年齢や経験などの制限は設けない予定だ。同協会では専門テキストの具体的内容や資格試験の方法などについて、現在検討している。育成の方針は、「商品知識があるだけでなく、窓のことなら何でも相談できる専門家」だ。
例えば、新たにカーテンを設置したい窓の断熱性能が低い場合には、ユーザーの要望に沿うデザインを取り入れた遮熱・断熱性のあるカーテンの機能を提案する。もちろんユーザーの予算に合った商品を勧めることも重要だ。同協会ではこれ以外にも、カーテンは購入後にどの頻度で洗濯すればよいか、素材に適した手入れ方法などについても助言できる専門家にしたいとしている。
第一回 窓装飾プランナー資格試験スケジュール
- 2014年3月 専用テキスト発行
- 2014年6月 受験申し込み開始
- 2014年9月 資格試験実施
- 2014年11月 合格発表
[試験会場] 札幌、東京、名古屋、大阪、福岡
[受験資格] 性別・年齢・経験不問
リフォーム店などのリピーター客増加に一役
リフォーム業界の可能性としては、リフォーム店や施工業者、メーカーなどに資格保持者がいれば、ユーザーが安心して窓まわりの相談ができ、アイテム選択の失敗も減ると予想できる。これにより施主の満足度が上がり、リピーターの受注も期待できる。10月23日~25日に東京ビッグサイトで開催されるインテリアトレンドショーJAPANTEX 2013でも同資格制度の正式な発表が行われる。

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