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リノベ会社が運営する女性向けDIYショップ

リノベ会社が運営する女性向けDIYショップ

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東京・西荻窪にある女性向けDIYショップ「GONGRI(ゴングリ)」が話題を集めている。運営するのは、リノベーションの分野で人気を集める設計事務所、夏水組(なつみぐみ、東京都杉並区)。塗料や壁紙、ドアノブ、フック、オーナメントなど、自宅を自分で改装するためのアイテムが約500点販売されている。

夏水組のDIYショップGONGRI

GONGRI(ゴングリ)は部屋を改装するためのアイテムを販売。夏水組がリノベーションでよく利用するアイテムがずらりと並ぶ。

話題の女性デザイナー

 「派手好きやキッチュなものが好きな人たちが集まるんです。それが夏水組テイストですね」。こう話すのは坂田夏水代表。「ゴングリ」の内装は赤い壁紙にブルーの洋風タイル柄を模したフロアシート。アンティークな雰囲気を持つ木製建具がところどころ壁に飾り付けられる。この独特なコーディネートが夏水組のカラー。一見"派手"にも感じられるが、このデザイン性が特に若い女性から支持されている。

 夏水組は坂田氏が、武蔵野美術大学建築学科卒業後、アトリエ系設計事務所、工務店、不動産会社などで経験を積んだ後、2008年に設立したリノベーション専門の設計事務所だ。作品はさまざまな建築メディアに取り上げられ、リノベーションの分野で今最も話題を集める会社の1つ。

 一般住宅だけでなく、空室で困る賃貸住宅のリノベーションやシェアハウス、店舗など幅広く手掛ける。そんな夏水組が新たなプロジェクトとしてスタートしたのが、自宅を自分で改装するDIYアイテムを販売するゴングリだ。
 

夏水組が開発協力している塗料が人気。レトロなカラー13種を用意。夏水組が開発協力している塗料が人気。レトロなカラー13種を用意。

300円から買える

 店内にあるDIY建材の多くはベトナムやタイなどの海外製品。これまでリノベーションのためにストックしておいた建材や建築金物、装飾品などを直売する店舗として今年の3月にオープン。300円から買えるドアノブなどもあり、商品はそれぞれ数千円。顧客層は30~40代女性が多い。「できるだけ敷居が低いプチプライスにこだわっています」

 売れ筋はメーカーと共同開発している室内塗料の「夏水組セレクション」。パリ風のレトロなカラーをイメージして作られた13色を用意。壁紙の上からも塗れる塗料で、気軽に模様替えを楽しめる。

 坂田氏は「夏水組のパリ風手作りインテリア」(メディアファクトリー)というDIYマニュアル本の著作を持つ。ペイント方法や、ドアノブをアンティーク風にする工夫、壁に個性的なフックをつけて部屋の印象を変えるノウハウなどを提供。空間デザイナーとしてだけでなく、空間を楽しむためのヒントやアイデアを伝えるための活動にも力を入れている。

 書籍は、台湾、韓国、中国などでも発売される予定。「男性向けのDIY本は多いですが、女性向けのものがこれまでほとんどなかった」と人気の要因を分析する。

夏水組のアンティークグッツ壁をデコレーションするフック、取っ手、ミラー、アニマルヘッドなども数多く展示。
アンティーク風の取っ手も数百円から買える。
タイル風のフロアシート。フェイク柄が人気。

企業間コラボも

 独自のリノベーション術は新築事業を手掛ける会社からも評価されている。ハウスメーカーや注文住宅ビルダーとともに、モデルハウスの共同企画やプロデュースも進めている。

 その他にも、メーカーとのインテリア・家具の共同企画や、人気壁紙ウェブショップ「壁紙屋本舗」で独自のセレクションコーナーを設ける。また、西荻窪に飲食店も開業し「今後さらに活動の幅を広げていきたい」と話す。

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