外壁・塗装リフォーム最前線
圧倒的なシェアの窯業系サイディング
主な外壁材は、窯業系サイディング、金属系サイディング、モルタル、タイル、ALCなどが挙げられる。シェアで見ると窯業系が圧倒的に多く、モルタル、金属と続く。
ここ10年ほどの動向では、樹脂サイディングの登場が大きな動きだ。樹脂サイディングは物理的変質が起きにくいため、凍害や塩害に強く、耐久性に優れている。
北米大陸ではシェア60%を占めるが、日本ではデザイン性がまだ浸透せず、シェアは今ひとつ。90年代後半から、北海道を中心に少しずつ利用が広がっているが、メンテナンスフリーという特長を売りに、他地域でのシェア獲得に期待がかけられている。
工法上の問題でも動きが目立つ。昨年の東日本大震災以来、地震に強い外壁の需要が高まり、窯業系では近年向上してきた補修技術が改めてトピックスになった。また、ALCなど工法上耐震性に優れた建材が、住宅でも取り上げられる契機となった。
冷え込む全体需要に新工法開発
しかし、全体としてみると、新築着工件数の低下に伴って需要は冷え込んでおり、業界全体としては新築以外の活路を見いだす必要が求められるようになった。
そこで注目を集めたのが、ビル補修に使われる新しい工法の開発などだ。耐震補修、もしくは地震による被害の補修という面だけでなく、長期優良住宅に見られるような、「長く住む家」の需要が高まったことが背景にある。これらは全国ビルリフォーム工事事業協同組合、建築仕上げ学会などの団体が研究開発に取り組んでいる。

塗替えのパーセンテージが新築を上回ったのは昭和59年と早く、当時は52.9%だったが、現在は80%近くが、塗り替え、塗装リフォームで占められている。※日本塗装工業会資料による

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