給湯器を中心としたオンラインサービスを手掛けるキンライサー(東京都港区)は、大学発AIベンチャーのtheAstate(東京都千代田区)を子会社化した。AIとITの組み合わせによって労働生産性を向上させ、住宅設備分野で質の高いサービス提供を目指す。
大川真樹社長
theAstateは、主にディープラーニング技術を研究開発するAIベンチャー企業。東京大学大学院情報理工学系研究科の山崎俊彦教授が社外取締役CTOとして参画し、開発メンバーにはAI分野で博士の学位を持つ山崎研究室出身者も在籍する。画像解析やテキストマイニングの他、SNS投稿分析によるインフルエンサーやハッシュタグの推薦など、企業のSNSやマーケティング活動を飛躍させる技術を所有している。
子会社化にあたり、キンライサーでは次の3つを展開する。1つ目は顧客とのコミュニケーション。音声AIを用いて、チャットボットの活用を促進する。2つ目は見積もり業務。同社は現地調査の代わりに、顧客から送信された給湯器の写真を基に見積書を作成している。画像解析技術を用いて、見積もり業務の効率化を図る。3つ目は、施工スタッフの移動効率の改善。1日で複数箇所を施工する場合、効率のよいルート作成を行う。
theAstateはキンライサーの業務支援だけでなく、異業種でのAI活用やマーケティングも継続する。同社の主要技術の中にアカウント間距離分析がある。これはブランドごとのインフルエンサーとの距離を可視化するマーケティング向けのサービスだ。SNSを行う際、自社や競合他社がどのような人に囲まれているのかなど、企業の立ち位置を把握するのに役立つ。
今後は、この技術を地方創生に応用する。新社長に就任した大川真樹氏は「あるエリアで何が話題になっているのか。同じ価値観を持った人はどこに住んでいるのか。そのようなことが可視化できる技術も開発していきます」と今後の展望について語った。

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