富山に本社を置く、リフォーム会社オリバーの外装リフォーム専門店「ガイソー」が好調だ。昨年3月に出店した1号店は、初年度8000万円強を売り上げた。2年目の今年は2億円を目標に現在のところ順調に進んでいる。今回、1号店の金沢店を訪問し、成功の要因を取材した。

2014年3月に1号店を開設。初年度は8000万円強を売り上げだ
イチからのスタート
石川県最大の都市の金沢市。盛り上がりを見せた北陸新幹線が開通する約1年前、ガイソー1号店は開設した。店は20坪の倉庫と20坪の事務所スペースを合わせて40坪。営業2人、事務員1人という体制だった。
当初の状況を西村創店長は「最初の3カ月はイマイチだった」と話す。というのも同社の本拠地は富山県。富山ではCMを流していることもあり、知名度も高まりつつあるが、石川県は未開の地。イチからのスタートであった。
厳しい環境の中ではあるが、4カ月目から事業が軌道に乗り始める。初年度予定通りの売り上げを確保し、営業人員を1月に1人、6月1人の2人追加。指標としていた1店舗営業4人体制が構築できたことから、月間2000万円の売り上げ達成に向けた基盤が整った。
同事業の強みは開設にかかる初期費用の少なさと契約率7割という営業クオリティの高さにある。金沢の事務所は一番費用がかかる看板で50万~60万円、内装工事費など入れても300万円しかかかっていない。
通常リフォーム店舗を作るのに1500万~2000万円かかっていたことと比較すると、費用は5分の1以下。採算がとりやすい事業と言える。
また、営業では通常3、4社の相見積もりになるにもかかわらず、契約率が7割と高い。西村店長は他店との違いを次のように話す。
「現場調査はお客さんがいるときに行きます。よく外装では『勝手にみておいてよ』と言われるのですが、お客さんに説明せず、専門用語が入った見積書を出しても分かりません。工事の必要性などを理解、認識してもらうことが重要です」
また、西村店長は営業品質についても重要視していると話す。「時間通りに来ないとか、見積もりを出すといって連絡が来ないといったことがよくあります。基本的な話ですが、意外とできていない会社が多いです」
塗装の単価は平均120万円。他社と比較し、中間に位置する価格帯になるケースが多い。その中で、基本的な営業クオリティとなぜ塗装を行うかの根本まで話す提案手法により圧倒的な契約率の高さに結び付けている。

内装と看板等で店舗開設初期費用はわずか300万円
「外壁の交換や重ね張りも件数ベースで3割ほどあります」と西村店長。実は、塗装だけではなく、単価が平均250万円のサイディング工事も取り扱う。売上高でいうと約半分がこのサイディングでの受注だ。
北陸という土地柄、冬の寒さの凍害により塗装では対処しきれないケースも多い。この家に何年住みたいかといったライフプランも想定した上、状況に合わせた顧客提案を行っている。

施工事例でイメージをつかんでもらう
8割決まる相談会
集客は、新聞折り込みチラシ、ホームページ、タウン情報誌への広告、コミュニティーセンターでの相談会の4種。特にコミュニティーセンターでの相談会は参加者の8割が受注に至るキラーコンテンツとなっている。
商圏である20万世帯を4分割し、この4万世帯に毎月順番に相談会の案内チラシを配布。2日間で4、5組が毎回来場する。会場となる地域のコミュニティーセンターは、2日間のレンタル費用が2万5000円から高くても10万円。チラシ費用を含めても25~30万円で収まる計算だ。
将来はガイソーをブランド化していき、全国レベルで知名度を高める構想を持つ。そのため、VC事業を開始。現在、加盟社は45社に上る。今年中に50社、来年には100社まで増やす考えだ。
ブランド化にあたり、オリジナルの塗料やクリーナーも開発。通常のメーカーより安価に高品質の商品が利用できる強みをつくった。
「直営は現在2店舗ですが、10年後までに12店舗にしたいと考えています」と西村店長。さらなる事業拡大を進めていく。
店舗概要(ガイソー金沢店)
所在地 * 石川県金沢市
売り上げ * 8000万円強(初年度、今年2億円目標)
人員 * 営業4人事務員1人
店舗面積40坪 * (事務所20坪、倉庫20坪)

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