ガーデリー・ソムリエ協会、建築とエクステリアの垣根撤廃へ 新協会設立で必要スキルを普及
「ガーデンが変える、日本の家づくり」をテーマに3月1日に設立された一般社団法人ガーデリー・ソムリエ協会(東京都千代田区)。建築とエクステリアの垣根をなくし、「家と庭の同時設計」の実践を目指している。サッシの設計・施工からエクステリアのリフォームまでを手がける「ワイドアルミ」の代表取締役であり代表理事を務める巾竜介氏と、空間デザイナーとして幅広く活躍し学長となった星ひで樹氏、「住宅環境社」代表取締役で専務理事を務める佐倉慎二郎氏に、当協会を立ち上げた理由と活動内容、今後の展望について聞いた。
【リポート/報道部長 福田善紀】
庭と家を同時に考える
――「ガーデリー・ソムリエ協会」を立ち上げた経緯を教えてください。
巾 サッシを変えたけれど目の前がバス停だったり、敷地いっぱいに家を作ってあるので掃き出しなのに外に出られない。このようなところに違和感を感じていました。4年前、当協会学長となる星ひで樹さんのセミナーに参加した時、「建築として家も庭も一緒にすべき」と語っていたことに共鳴しました。それがきっかけとなり、3年前から星さんに当社の顧問として社員を教育してもらっています。家と庭を同時にリフォームする場合、サッシから庭に通じる部分をどうすべきか―というようなロジックを講義してもらっています。その効果は絶大で、現在、サッシよりエクステリアのリフォームの方が多くなりました。同じ思いをしている工務店は全国に数多くあると思い、地域工務店を支援する団体を立ち上げることにしました。
――星さんはこれまで全国で講演をしています。個人でできるものを協会にしたのはなぜですか。
星 自分がいうロジックは果たして正しいのか。協会を設立することで、正解か不正解かを見極められるようになるからです。エクステリアでは「なんとなく美しく」やっているのが実情です。でも、正確な判断ができないと検証もできません。個人の情報発信には限界があるので、協会を作って情報発信することにしました。
――ロジックとは、どんなものですか。
星 例えば、ランドスケープのサイズ感では4フィート(約120cm)ないとアプローチと認められません。120cm以下だとアプローチっぽくない。その場合、どのような理由があって狭めたのか。基準を設けないと説明がつかなくなります。デザイン面から見ると「(狭めたのは)美しいから」と抽象的な説明になります。では、誰が美しいと決めているのか。これが私のいうロジックです。
建築側は、リビングが広くなるという理由でテラスやウッドデッキを作ります。しかし、それは家の内側の話。ウッドデッキを作ったのに使っていないという家が多いのは、ロジックが成り立っていないからです。
資格事業も展開
――図面作成や資格認定など団体が提供する内容は幅広いですね。

最新記事
この記事を読んでいる方は、こんな記事を読んでいます。
- 1659号(2025/08/04発行)21面
- 1658号(2025/07/28発行)21面
- 1657号(2025/07/21発行)11面
- 1656号(2025/07/14発行)11面
- 1655号(2025/07/07発行)19面